抜歯後の痛みはいつまで続く?痛みが長引く原因や対処法について解説

歯の痛みに顔をしかめる男性

抜歯をすると傷口ができるため、多少なりとも痛みが出るケースが多いです。

「抜歯をすると何日痛い状態が続くの?」というお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、抜歯後の痛みについて詳しく解説します。

痛みが長引いてしまうケースや痛みを和らげる対処法などについてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

抜歯後の痛みは麻酔が切れてから出始める

時計

抜歯をする際は麻酔をかけるため、手術中や手術直後は痛みをほとんど感じません。

3〜4時間ほど経って麻酔が切れると、徐々に痛みが出てきます

麻酔が切れるまでの時間には個人差があり、1時間程度で麻酔が切れる場合や6時間ほど麻酔の効果が継続する場合もあります。

麻酔を使った部位や量によっても違いが出るため、「確実にこの時間で麻酔が切れる」と言い切るのは難しいです。

また麻酔が切れた後の痛みも個人差があり、人によっては痛みがほとんどない場合もあります。

ただし治療によって傷口ができるため、多少の痛みが出るケースが多いです。

痛みが出ても我慢ができる程度か痛み止めの服用で対処できる程度の場合が多いため、過度に心配する必要はありません。

抜歯後の痛みは2~3日程度続く

8時半前を指す時計

抜歯後の痛みは2〜3日程度で落ち着いてくるケースが多いです。

しかし抜歯した傷口が細菌感染を起こしてしまった場合、痛みが引くまでに1〜2週間程度かかることもあります。

痛みが出ている間は、歯科医院で処方された痛み止めを服用することで症状を和らげられます。

また次に紹介するようなケースでは、痛みや腫れなどの症状が長引きやすくなるため注意が必要です。

抜歯後に痛みが長引いてしまう原因

抜歯のイメージ

抜歯後に痛みが長引いてしまう原因は以下の通りです。

  • ドライソケットになった
  • 親知らずを抜歯した
  • 抜歯の際に骨に負担がかかった
  • 炎症の強い歯を抜いた
  • 根がしっかりした歯を抜いた

ここでは上記5つの原因についてそれぞれ解説します。

ドライソケットになった

ドライソケットになると痛みや腫れなどの症状が長引くことがあります。

通常、抜歯をすると歯を抜いた穴に血の塊(血餅)ができ、そこに血管や細胞が新しくできることで傷口が回復していきます。

しかし血餅が上手くできなかったり剥がれてしまったりすると、露出した骨の表面で細菌感染が起こる『ドライソケット』になるのです。

ドライソケットになる原因としては以下が挙げられます。

  • うがいのしすぎ
  • 抜歯した部分を指や舌で触る
  • 長風呂や運動などの血行が良くなる行為をする
  • 喫煙

ドライソケットになると傷の治りが遅くなり、2週間程度痛みが続きます。

抜歯後の痛みは本来であれば2~3日経過すると徐々に軽くなっていきますが、ドライソケットの場合は徐々に痛みが強くなっていくことが特徴です。

痛みが悪化している場合はドライソケットの可能性があるため、すぐに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。

親知らずを抜歯した

親知らずを抜歯する場合、他の歯を抜歯するよりも強い痛みが出たり痛みが長引いたりすることがあります。

親知らずは横向きに生えていたり斜め向きに生えていたりすることが多く、抜歯する際に骨に刺激がかかり、手術後の痛みや腫れが出やすい傾向にあります。

親知らず抜歯後の痛みや腫れがひどい場合は、炎症を抑える抗生物質や痛み止めの服用により対処可能です。

1週間前後で治まる場合が多いですが、極端に痛みや腫れがひどい場合はすぐに歯科医院を受診しましょう。

以下の記事では、親知らずを抜歯するときの痛みや腫れを抑えるための注意点についてまとめています。

親知らずの抜歯を検討している方は合わせてチェックしてみてください。

親知らず抜歯後の7つの注意点と治癒の工程を紹介

抜歯の際に骨に負担がかかった

抜歯後の痛みは、抜歯の際にどれくらい骨に刺激がかかったかによって決まります。

例えば歯科医師の器具の使い方や抜歯の仕方が悪いと、骨に過度に負担がかかり、痛みが強く出たり長引いたりする可能性があります。

この場合の痛みは3〜4日程度で徐々に和らいでくることが多いです。

炎症の強い歯を抜いた

炎症の強い歯を抜歯した場合、通常よりも痛みが長引くことがあります。

例えば歯の神経が腐って歯根の先に膿が溜まって腫れているようなケースです。

3〜4日程度で痛みは和らいできますが、1週間程度痛みが続くこともあります。

根がしっかりした歯を抜いた

根がしっかりしている歯を抜いた場合、痛みが長引く恐れがあります。

長い根や骨を抱きかかえる形で生えている根の場合は負担が大きくなります。

また上顎よりも下顎のほうが骨が硬く、その硬い骨を抱きかかえている形で根が生えていると骨に負担がかかるため、痛みが長引きやすいです。

このようなケースの場合、1週間程度で徐々に痛みが和らいできます。

抜歯後の痛みを抑えるための対処法

薬を手に取る

抜歯後の痛みを抑えるための対処法は以下の通りです。

  • 麻酔が切れる前に痛み止めを飲む
  • うがいをしすぎない
  • 傷口を指や舌で触らない
  • 患部を冷やす
  • 血行を良くする行動は控える
  • 患部に刺激を与える食べ物や飲み物は控える
  • 歯科医院で患部を洗浄してもらう
  • 痛みに効果的なツボを押す

ここでは上記8つの対処法についてそれぞれ解説します。

麻酔が切れる前に痛み止めを飲む

抜歯後の痛みを抑えるためには、麻酔が切れる前に痛み止めを飲むことが効果的です。

痛み止めは服用してから効果が出るまでに時間がかかるため、痛みが出てから服用するよりも痛みが出る前に服用することをおすすめします。

麻酔が効いているうちに服用しておくことで、麻酔が切れたときの痛みを抑えることが可能です。

歯科医院で抗生物質とあわせて痛み止めが処方されるケースが多いため、そちらを服用しましょう。

もし1錠だけでは痛みが強い場合には、1回目と2回目の間隔を6時間以上空ければもう1錠服用しても問題ありません。

うがいをしすぎない

うがいをしすぎると、血餅がはがれドライソケットを引き起こす恐れがあります。

ドライソケットになると痛みが長引くだけでなく、追加で治療が必要になります。

抜歯当日は極力うがいは控えましょう。

2日目以降は軽く口をゆすぐ程度でうがいを行い、歯科医院で処方されたうがい薬がある場合はそちらを使用してください。

傷口を指や舌で触らない

傷口を指や舌で触らないようにしましょう。

ドライソケットの原因になる恐れがあるのはもちろん、指に付着した細菌が傷口に入り込むことで炎症が起きる可能性があります。

また指や舌だけでなく、歯磨きをする際も注意が必要です。歯ブラシが傷口に当たらないように注意しながら歯磨きをしましょう。

患部を冷やす

痛みがなかなか引かない場合は、患部を冷やす方法がおすすめです。

濡れタオルや冷却ジェルシートなどを頬側から当てて冷やしましょう。患部周辺の血管が収縮することで出血が止まりやすくなり、痛みも和らげられます。

口の中に氷を入れるなど、患部を直接冷やす行為は逆効果となる可能性があるため控えましょう。

また、冷やし続けると血液の循環が悪くなり、回復までに時間がかかってしまうため冷やしすぎは避けましょう。

血行を良くする行動は控える

長風呂や運動など、血行を良くする行動は控えましょう。

血行が良くなると痛みを感じやすくなる可能性があるため、抜歯後しばらくは控えるのが無難です。

基本的には医師の指示通りに過ごしていれば問題ありませんが、普段の過ごし方で気になることがあれば受診時に相談しておくことをおすすめします。

患部に刺激を与える食べ物や飲み物は控える

患部に刺激を与える食べ物や飲み物は控えましょう。

控えたほうが良い食べ物は以下のようなものです。

  • 硬いものや尖ったもの
  • 辛いものや酸っぱいもの
  • 歯や歯ぐきにくっつきやすいもの
  • アルコール

アルコールは血行を良くするため、痛みの原因となることがあります。

また辛い食べ物や硬い食べ物は患部に強い刺激を与える恐れがあり、痛みや腫れを促進させる原因になり得ます。

抜歯後はおかゆやヨーグルトなど、なるべく柔らかいものを食べるようにしてください。

ただし、食べるときに吸う必要がある食べ物は吸い込む行為によって血餅がはがれてしまう恐れがあるため、なるべく避けたほうが良いでしょう。

歯科医院で患部を洗浄してもらう

抜歯後の痛みがひどい場合は、歯科医院で患部を洗浄してもらう方法が有効です。

我慢できないほどの痛みの場合、ドライソケットになっていることもあり、この場合は患部を洗浄してから炎症と化膿を止める薬を入れて処置します。

また歯科医院を受診すれば痛み止めを処方してもらえるのはもちろん、炎症や化膿を未然に防ぐことも可能です。

痛みに効果的なツボを押す

抜歯後の痛みを和らげる方法として、痛みに効果的なツボを押すことも挙げられます。

歯痛に効果的とされるツボは以下の通りです。

  • 合谷(ごうこく):手の人差し指と親指の骨が合流するところからやや人差し指よりにあるところ
  • 承漿(しょうしょう):下唇と顎の間にあるくぼんだところ
  • 下関(げかん):耳の穴から親指幅3本分ほど手前のところ
  • 歯痛点(しつうてん):手のひらの中指と薬指の付け根の間、足の裏の親指と人差し指の付け根の間の1.5cmほど下

上記のツボを押すことで、一時的に痛みを解消できる可能性があります。

あくまでも一時的に痛みを和らげる対処法のため、痛みが長引く場合は我慢せずに歯科医院を受診しましょう。

まとめ

抜歯の痛みは2~3日程度で徐々に和らいでくることが多いです。

しかしドライソケットを起こしたり抜歯時に骨に負担がかかったり、親知らずを抜歯したりした場合には痛みが長引いてしまうことがあります。

抜歯後の痛みを抑えるためには、麻酔が切れる前に痛み止めを服用したり患部を冷やしたりする方法が有効です。

抜歯後の過ごし方については医師から指示があるため、基本的にはそれをきちんと守っていれば痛みや腫れが悪化する可能性は低いといえます。

平山歯科医院では、週2日程度は夜20時まで診療を行っています。

抜歯後のアフターフォローもしっかり行っていますので、抜歯を検討している方はぜひご相談ください。

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