親知らず抜歯後の7つの注意点と治癒の工程を紹介

親知らず 抜歯後

親知らずの抜歯後、痛みや腫れを感じる方は多いのではないでしょうか。これらの症状は術後の注意事項を守り、適切なケアを行うことで軽減することができます。

抜歯を行った箇所はもちろんですが、その際に歯ぐきや周辺の組織が損傷し、炎症を起こすことがあります。

抜歯後の痛みや腫れは、時間が経つにつれて徐々におさまりますが、症状が重たい時や合併症が引き起こされた場合は、すぐに治療をうけた歯科医師に相談しましょう。

親知らずの抜歯後のケアについては、事前にしっかりとした知識を身につけ、適切な処置を行い、傷口の早期回復を目指しましょう。

この記事では、抜歯後の注意点や、治癒の流れなどを詳しく解説していきます。

親知らず抜歯後の7つの注意点

親知らず 抜歯後

ここでは、術後の痛みや腫れを最小限に抑えるための注意点を詳しく解説していきます。注意点を守ることで、不要な痛みや合併症のリスクを軽減することができるでしょう。

抜歯から数日は安静に過ごす

親知らず抜歯後は血行が良すぎると出血しやすくなるため、運動や長時間の入浴、アルコールの摂取は控えてください。

抜歯後の出血は、時間の経過にともない固まっていきますが、それまでは比較的血が出やすい状態になっています。

血行が良すぎることにより生まれるリスクは下記の4つです。

  • 腫れや痛みを強く感じる
  • 血が止まりにくくなる
  • 傷の治りが悪くなる
  • 炎症が起きる

抜歯後2~3日間は、安静に過ごすように心がけましょう。

抜歯後は処方された抗生物質・痛み止めを服用する

親知らず抜歯後は、歯科医院で処方された抗生物質と痛み止めを服用してください。

痛み止めに関しては、痛みが生じてから服用すると効果に時間がかかるため、麻酔が切れる前に飲むようにしましょう。

また、手術後痛みがなくなれば服用を止めても大丈夫ですが、抗生物質は必ず処方された全てを飲み切るようにしてください。

抗生物質は、抜歯後の感染を抑えるために必要となるため、全て飲み切らない場合は、合併症のリスクを高めてしまう危険性が高くなります。

抜歯当日はうがいをしすぎない

抜歯後に頻繁にうがいをすると、かさぶたが剥がれてしまい傷の治りが遅くなることがあります。

手術後の傷口からはすぐに出血がみられますが、次第に血餅という血の塊で傷口に蓋ができ、それによって傷の内部が保護され、細菌感染が起こりにくくなります。

しかし、頻繁にうがいをすることにより、血餅が剥がれて流されてしまう恐れがあります。そのため、最低でも抜歯後24時間は、なるべく強いうがいは避けるようにしましょう。

抜歯した箇所は触らない

舌や指で抜歯した箇所に触れてしまうことで、出血が起き、縫合した糸がとれてしまうことがあります。

糸がとれると傷口が開き、治りが遅くなってしまう恐れがあるでしょう。また、傷口が開くことで起こる代表的な症状として、ドライソケットが挙げられます。

ドライソケットとは、抜歯をした箇所の骨が露出してしまった状態のことをいいます。

患部への過度な刺激により血餅が流れてしまい、骨が露出すると食べかすや汚れが侵入した時に、鋭い痛みを感じます。

抜歯後は2〜3日程度で痛み止めが不要になるくらいまで痛みがおさまりますが、ドライソケットになってしまうと、10日〜1ヶ月ほど痛みがおさまらない場合があります。

このような症状が起きた時には、すぐに治療をうけた歯科医院で処置を行うことが必要になるでしょう。

そうならないためにも、抜歯箇所に過度に触れることは控えてください。

抜歯後の食事

抜歯後2〜3時間は、麻酔の効果で感覚が麻痺していることや、血餅が作られはじめていることから、飲食物の摂取はなるべく控えましょう。

歯や歯ぐきに負担をかけない食事は、お粥・雑炊・ヨーグルト・柔らかい麺類などが挙げられます。

また、抜歯後数日間は、できるだけ治療箇所とは反対側で噛むように心がけてください。

腫れた箇所は冷やす

抜歯を行った時によくみられる症状として、頬が腫れが挙げられます。

その症状を軽減させるためには、腫れる前に濡れタオルで患部を軽く冷やすことをおすすめします。

しかし、冷やしすぎてしまうことで、血液の循環が悪くなり、腫れの回復を遅らせてしまう可能性があるため、注意が必要です。

腫れが酷く痛みが治らない場合には、歯科医院へご相談ください。

喫煙を控える

タバコを吸うことで、傷が治りにくくなる・細菌に感染しやすくなる、などのリスクが生まれます。

喫煙者にとって禁煙をするということは簡単なことではないでしょう。しかし、親知らずの抜歯後は傷口が塞がるまで禁煙することをおすすめします。

タバコに含まれているニコチンには、血管を収縮させる働きがあります。

血管が収縮して血流が悪くなることで、傷口を塞ぐために必要な血液が不足した状態になり、抜歯した箇所の治りが遅くなってしまうのです。

また、タバコは免疫力を低下させてしまうことで、抜歯した傷口からの細菌感染リスクが高まります。

このようなリスクを回避するためにも、親知らずの抜歯後は完全に傷が治るまでタバコを控えるようにしましょう。

親知らず抜歯後の治癒の工程

親知らず 抜歯後

抜歯後の傷口は、一般的には1ヶ月程度で治り、6ヶ月〜1年程度で完全に穴が塞がります。ここでは、抜歯後の治癒の工程を詳しく解説していきます。

親知らず抜歯当日:血餅が形成される

親知らず抜歯後の歯ぐきは、骨が露出した状態になりますが、その日のうちに血が溜まり、血餅と呼ばれる血の塊が形成されます。

血餅がかさぶたの役割を果たし、傷口が治癒するまで歯ぐきを守ってくれます。

抜歯当日に口内に不快感を感じ、うがいを頻繁に行うことで血餅が形成されず、傷の治りが遅くなるため、うがいをする際は注意が必要です。

3~4日:上皮化がはじまる

傷ついた歯ぐきが再生することで、抜歯後3〜4日ほどで歯ぐきの穴の周囲から徐々に再生がはじまります。

歯は一度削ってしまうと再び元に戻ることはありませんが、歯ぐきには再生する能力があるのです。

1週間:血餅が肉芽組織に変化

抜歯後1週間ほどで、血餅が肉芽組織に変化します。

肉芽組織とは、傷口を治癒するために形成される線維性の結合組織で、毛細血管と線維芽細胞が豊富に含まれています。

肉芽組織は血餅に比べて強く傷口に定着するため、ここまで治癒が進行すれば、血餅が剥がれて骨が露出するリスクがほとんどなくなります。

3週間~1ヶ月:傷口が歯ぐきで覆われる

個人差はありますが、3週間〜1ヶ月ほどで傷口が歯ぐきで覆われます。

しかし、この段階では完全に歯ぐきや骨が治ったわけではなく、歯ぐきのへこみが残っている場合がほとんどです。

治癒力の高い人の場合は、すでにこの時点で歯ぐきが盛り上がり、目視では治ったように見えることがありますが、まだ歯ぐきの中の骨は再生していないため注意が必要です。

6ヶ月~1年:抜歯窩が治癒する

抜歯後6ヶ月〜1年ほど経過すると、歯ぐきや骨が完成し、完全に抜歯窩が埋まります。

抜歯窩とは、抜歯した後に開く穴のことを指します。レントゲン撮影をしても、抜歯の痕跡がわからないくらいに回復します。

今回解説した治癒にかかる日数は、あくまで目安であるため、人によっては期間が異なる場合があります。

親知らず抜歯後におすすめの食べ物5選

親知らず 抜歯後

食べることが好きな方は、親知らずの抜歯後にともなう痛みや腫れによって、食事の内容が制限されるため、苦痛に感じる方は多いのではないでしょうか。

ここでは、抜歯後におすすめしたい5つの食事とその理由を解説します。

シチュー

常温程度に温めたシチューは、水分量が多く楽に飲み込むことができます。また、スプーンで一口ずつ食べられるため、痛みで口が大きく開かない時にも食べやすいです。

調理次第ですが、特にビーフシチューはお肉が柔らかく、野菜が入っていることで栄養バランスも申し分ないことから、親知らずの抜歯後の食事としておすすめします。

麻酔が効いている間は、温度に対して感覚が鈍くなっているため、火傷に注意してください。

親子丼

親子丼は、牛丼に比べてカロリーが低いわりに、卵と鶏肉が中心となっているため、タンパク質やカルシウムなどの栄養をしっかり摂ることができる食べ物です。

また、具材が柔らかく食べやすいため、抜歯後でも安心して食べることができます。

雑炊・お茶漬け

ご飯のなかでも、柔らかい雑炊やサラサラと食べることができるお茶漬けは、作るのも簡単なうえ、抜歯後の食事にもぴったりです。

入れる具材を工夫することで、栄養をしっかり摂ることが可能になります。ただし、シチューと同様に麻酔が効いている間は、火傷に注意が必要です。

キウイ

キウイは半分にカットしてスプーンで食べることができ、水分が豊富なため飲み込みやすいです。

また、栄養充足率が果物のなかでもトップクラスで、ビタミンC・食物繊維・鉄分・ミネラルなどの栄養素がぎっしり詰まっています。

親知らず抜歯後の栄養補給には、他の果物と比べて飲み込みやすく、栄養素が豊富なキウイをおすすめします。

ヨーグルト

スプーンで食べることができ、飲み込みやすいヨーグルトは、抜歯後の痛みが強く、食欲不振の時にも食べやすいメニューです。

糖質・タンパク質・脂質・カルシウム・乳酸菌などが含まれていて栄養価も高いため、免疫力の向上や傷の治りを早める効果も期待できます。

まとめ

この記事では、親知らず抜歯後の注意点や、傷口の治癒工程を詳しく解説していきました。

抜歯後の注意点を慎重に守ることで、手術後の痛みや腫れ、ドライソケットになるリスクを軽減させることができます。

『平山歯科医院』は、祖師ヶ谷大蔵で25年間培ってきた技術をもとに、さまざまな歯のトラブルやお悩みにお応えします。

治療全般のアフターフォローにも力を入れており、3ヶ月〜6ヶ月に1度の定期検診のご案内をさせていただいております。

親知らずの抜歯後に少しでも異常を感じた場合は、経験豊富なスタッフが丁寧に聞き取りを行い、患者様に合った治療内容をご提案させていただきます。

ぜひこの機会にご来院ください。

お電話

ご予約