親知らず抜歯後の痛みはいつまで続く?対処法と術後の注意点を解説!

親知らずは、「第三大臼歯」とも呼ばれる大人の奥歯の中で最も後ろに位置する歯です。
親知らずは一般的に上あごと下あごにそれぞれ2本ずつ、計4本ありますが、人によっては4本揃っていなかったり、そもそも無かったりする場合もあります。
綺麗に生えている場合、親知らずを無理に抜く必要はありません。
しかし、磨き残しから虫歯になったり、歯茎の中に埋まっていて痛みや腫れの症状が起こりやすくなったりするリスクから、抜歯した方が良いケースもあります。
歯医者さんで「親知らずを抜いたほうがいい」と言われている方の中には、抜歯の痛みについて不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、親知らずの抜歯について、痛みを感じる期間や対処法を解説します。
抜歯後の痛みを軽減するための注意点も解説しているため、親知らずの抜歯を検討している方はぜひ参考にしてください。
親知らずを抜歯するときの痛み

親知らずを初めて抜く方にとって、「抜歯の痛み」は気になるポイントかと思います。
ここでは、親知らずを抜く際の痛みと、抜歯後の痛みについて詳しく見ていきましょう。
親知らずの抜歯時はほとんど痛みを感じない
親知らずの抜歯は局部麻酔をかけて行うため、歯を抜くときに痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、親知らずの状態によっては歯を割って抜いたり、強い力をかけたりする場合があります。
そのような場合、痛みは感じないものの「怖い」「不快だ」と感じることがあるといえるでしょう。
親知らずの抜歯後は痛みを感じる可能性がある
痛みを感じやすいのは、親知らずの抜歯後に麻酔が切れたタイミングです。
親知らずの抜歯後は痛み止めを処方されることが多いため、強い痛みを感じる場合は処方された薬を服用するようにしてください。
また、親知らずの抜歯後は、痛みの他に腫れの症状が出る場合もあります。
親知らずの生えている場所や状態によって腫れの程度は異なりますが、抜歯後2日程度を目安に徐々に症状が治まるでしょう。
親知らず抜歯後の痛みはいつまで続く?

では、実際に親知らずを抜歯した際の痛みは、どのくらい続くのでしょうか。
親知らずの抜歯を考えている方の中には、痛みが続く期間や程度がわからず不安に思う方もいるでしょう。
ここでは、親知らず抜歯後に痛みを感じる期間や、痛みの程度について詳しく解説します。
抜歯後に強い痛みを感じるのは2~3日程度
抜歯後に強い痛みを感じるのは、一般的に2~3日程度です。
抜歯後2~3日が過ぎれば、徐々に痛みが治まっていくケースが多いといえるでしょう。
ただし、体質や親知らずの状態によっては、痛みが1週間程度続く方もいます。
親知らずの抜歯後は、数日分の痛み止めが処方される場合がほとんどです。
親知らずの抜歯後に痛いと感じる程度は人によってさまざまですが、あまりにも痛みが激しい場合は痛み止めを服用するようにしましょう。
1週間以上痛みが治まらない場合はドライソケットの可能性も
親知らずの抜歯後、1週間以上経っても痛いと感じる場合は「ドライソケット」の可能性があります。
ドライソケットとは、抜歯後の穴から露出したままの骨が細菌感染した状態です。
通常、抜歯後の穴には血液が溜まり、かさぶたのような血餅(けっぺい)によって骨が露出するのを防ぎます。
しかし、何らかの原因で血餅ができなかった場合、ドライソケットを発症することがあるのです。
ドライソケットを発症すると、激しい痛みや発熱、腫れなどが1~2週間程度続くため注意しましょう。
また、ドライソケットの他にも、親知らずの抜歯後は次のような症状が起こる可能性があります。
- 細菌の感染
- 顎神経の麻痺
- 親知らず付近の歯や顎の損傷
1週間以上経っても痛みが治まらない、むしろ痛みが強くなっている気がする、といった場合には、必ず担当の医師に相談するようにしてください。
親知らずの抜歯後に痛みを感じる場合の対処法

親知らずの抜歯後に痛みを感じる場合は、以下4つの方法を試すのがおすすめです。
- 痛み止めを服用する
- 顎を冷やす
- ガーゼで圧迫して止血する
- 手のひらのツボを押す
それぞれの対処法について、詳しく見ていきましょう。
痛み止めを服用する
親知らずを抜歯した際は、痛み止めが処方されます。
抜歯後に痛みを感じる場合は、処方された痛み止めを服用してください。
仕事や学校の関係でなかなか歯医者に行けない方は、事情を話して痛み止めを多めに処方してもらうと安心できるでしょう。
また、麻酔が切れる前に痛み止めを服用するのもおすすめです。
麻酔は2~4時間程度で切れるため、効果が切れる前に痛み止めを服用しておくと、麻酔が切れても強い痛みを感じづらくなるでしょう。
顎を冷やす
親知らずの抜歯当日に行う痛みの対処法としておすすめなのが、顎を冷やす方法です。
氷のうや濡らしたタオルなどで抜歯した付近を冷やすと、熱が引いて痛みが軽くなる可能性があります。
ただし、顎を冷やす際は以下の点に注意してください。
- 冷やすのは抜歯後24時間まで
- 氷などで急速に冷やさない
熱が引くのは良いことですが、冷やしすぎると血液の循環が悪くなり、抜歯した部分の回復が遅れる可能性があります。
そのため、冷やすのは抜歯後24時間以内にしてください。
また、氷などで急速に患部を冷やした場合、痛みが増すことがあるため注意しましょう。
ガーゼで圧迫して止血する
痛みに加えて出血がある場合、ガーゼで圧迫する方法も効果的といえます。
親知らずの抜歯後に痛みを感じるのは、主に傷口からの出血が原因です。
清潔なガーゼを噛んで傷口を圧迫することにより、出血が抑えられて痛みが軽減する可能性があります。
ただし、強く噛みすぎると患部を傷つける恐れがあるため、止血する場合はガーゼを軽く噛むようにしてください。
また、開いている傷口から感染症を引き起こす可能性もあるため、必ず清潔なガーゼを使用するようにしましょう。
手のひらのツボを押す
痛みに効くツボを押すのも、抜歯後の痛みの対処法のひとつです。
合谷(ごうこく)という、親指と人差し指を結んだ場所を、「痛気持ちいい」と感じる程度の力で押します。

このツボは頭痛や生理痛など、熱を逃がして痛みを軽減させる効果があるため、抜歯後に痛みを感じる場合は試してみると良いでしょう。
ただし、ツボを押しても痛みの根本的な解決にはならないため、気を紛らわせる方法として試してみてください。
親知らず抜歯後の痛みを抑えるための注意点

親知らずを抜歯した後は、痛みをなるべく抑えるためにも、以下の点に注意して過ごしましょう。
- 処方された薬をきちんと服用する
- 激しい運動や飲酒を控える
- タバコを控える
- 患部を必要以上に触らない
- うがいや歯磨きはやさしく行う
- 食事に気をつける
- 頭を高くして寝る
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
処方された薬をきちんと服用する
親知らずを抜歯した後は、病院やクリニックから痛み止めと抗生物質を処方される場合がほとんどです。
痛み止めは麻酔が切れた後の痛みを軽減するため、抗生物質は感染症を予防するために処方されます。
痛み止めは痛みがなくなれば服用をやめても大丈夫ですが、抗生物質は必ず処方された分をすべて飲み切るようにしてください。
症状が軽くなったからといって痛み止めと同じように服用をやめてしまうと、感染症のリスクが高くなるため注意しましょう。
激しい運動や飲酒を控える
親知らずの抜歯後は、血行が良くなる行為を控えるようにしてください。
激しい運動や長時間の入浴、飲酒などによって血行が良くなると、出血しやすくなり、痛みを感じやすくなります。
痛みのピークとなる抜歯後2~3日程度は、激しい運動や飲酒を控えるほか、入浴はシャワーで済ませるようにしましょう。
タバコを控える
タバコのニコチンには、血管を収縮させる作用があります。
血流が悪くなることで患部の治りが遅くなるため、親知らず抜歯後のタバコは控えた方が良いでしょう。
また、タバコによって免疫力が低下することもあり、抜歯した傷口から感染症を引き起こすリスクが高くなることも。
喫煙者にとって禁煙は簡単ではないかと思いますが、抜歯後の傷口がふさがるまで、それが難しければ少なくとも当日は禁煙するようにしてください。
患部を必要以上に触らない
抜歯した部分が気になる場合もあるかと思いますが、指や舌で患部に触れると出血したり、縫合した糸が取れてしまったりする可能性があります。
傷口が開いて治りが遅くなるほか、ドライソケットのリスクも高まるため、抜歯後は患部を必要以上に触らないようにしましょう。
うがいや歯磨きはやさしく行う
親知らずの抜歯後は、うがいや歯磨きにも気をつける必要があります。
特に抜歯直後は出血している場合もあり、気になってうがいをしたくなることがあるかもしれません。
しかし、頻繁にうがいをすると血餅(傷口を守るかさぶた)が取れてしまう可能性があります。
血餅が取れると傷口が開いて治りが遅くなったり、ドライソケットになったりするため注意が必要です。
また、歯磨きによる刺激でも血餅が剥がれる危険性があります。
そのため、親知らずの抜歯後にうがいや歯磨きをする場合は、傷口を守るようにやさしく行うようにしましょう。
食事に気をつける
親知らずの抜歯後は、刺激の強い食べ物や、患部にダメージを与えやすい食べ物を控えるのがベターです。
傷口が開く原因になりかねないため、抜歯後は次のような食べ物をなるべく控えるようにしてください。
- 香辛料の入ったもの
- 硬いもの
- ガムやキャラメル
親知らずの抜歯後は、以下のようにあまり噛まずに食べられるものがおすすめです。
- おかゆ
- 雑炊
- ゼリー
- ヨーグルト
- うどん
また、抜歯後は患部を傷つけないよう、なるべく抜歯していない方の歯で噛むように意識しましょう。
頭を高くして寝る
寝るときに頭の位置が低いと、頭の重さで血の巡りが良くなり、出血量が増える可能性があります。
麻酔が効いていて眠いときや、夜寝るときには高めの枕で寝るのがおすすめです。
また、抜歯した部分を下にして寝ると圧迫されて出血量が増えることもあります。
うつぶせ寝は避け、なるべく仰向けまたは抜歯していない方を下にして寝るようにしましょう。
親知らずを抜歯した後の過ごし方については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
本記事では、親知らずの抜歯後に痛みを感じる期間や対処法、注意点などを解説しました。
親知らずの抜歯後は、2~3日程度を目安に強い痛みを感じやすくなります。
痛みに不安がある方や、初めて親知らずを抜く方は以下の対処法を知っておくと、痛みを感じたときにも焦らず対応できるでしょう。
- 痛み止めを服用する
- 顎を冷やす
- ガーゼで圧迫して止血する
- 手のひらのツボを押す
平山歯科医院は、患者様が不安や悩みを気軽に相談できるような「身近な歯医者さん」を目指して診療を行っています。
さまざまな治療の中でも、特に親知らずの抜歯に力を入れているため、親知らずの抜歯を検討している方はぜひ、お気軽にご相談ください。