親知らずが虫歯になったらどうすればいい?放置するリスクと治療法を解説!

「親知らずが虫歯になった」
「痛みを感じるまでは放置していても大丈夫?」
「他の歯と同じように治療してもらえる?」
親知らずは、歯の一番奥にあるため見えづらく、虫歯になりやすいとされています。
痛みを感じてから歯医者さんを検討する方もいるかと思いますが、痛みがないからといって親知らずの虫歯を放っておくとさまざまなリスクが生じる可能性があります。
そのため、親知らずが虫歯になったらすぐに歯医者さんを受診することが大切です。
本記事では、親知らずが虫歯になった場合の治療法や放置するリスクについて解説します。
親知らずが虫歯になるのを予防する方法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
歯に違和感がある場合は病院を受診しよう!

「歯が痛い」と思っても、いつの間にか痛みが治まり「歯医者はまた今度でいいか」と受診を先延ばしにしている方はいませんか。
親知らずに限らず、虫歯は症状の進行に伴い、痛みを感じたり感じなくなったりを繰り返すことがあります。
痛みを感じなくなったとしても、以前に痛みを感じていた虫歯が自然に治ることはないため注意が必要です。
痛み以外にも、以下の症状があれば虫歯が進行している可能性があります。
- 冷たいものがしみることがある
- 歯が欠けている
- 歯に穴が開いている
痛みや上記のような症状がある場合は、なるべく早く歯医者さんを受診するようにしましょう。
親知らずは虫歯になりやすい!

親知らずは、口の一番奥にあり、虫歯になりやすいとされている歯です。
親知らずが虫歯になりやすい理由としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 歯ブラシが届きづらい
- 食べかすや歯垢や溜まりやすい
- 異変に気づきにくい
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
歯ブラシが届きづらい
親知らずは口の一番奥にあるため、歯ブラシが届きづらい特徴があります。
歯ブラシが届いたとしても、頬の肉が邪魔して適切に磨けていないことも多いといえるでしょう。
また、親知らずはまっすぐに生えていないことも多いです。
少し斜めに生えていたり、歯の一部が歯肉に埋まっていたりする場合はさらに磨き残しが起こりやすくなり、菌が繁殖して虫歯になりやすくなるのです。
食べかすや歯垢が溜まりやすい
親知らずが斜めに生えていたり、一部が歯肉に埋まっていたりする場合、食べかすや歯石が溜まりやすくなります。
このような生え方の場合、隣の歯との間にすき間ができるため、ただでさえ磨きにくい親知らずに汚れが溜まりやすくなり、虫歯になるのです。
親知らずがまっすぐに生えていない方は、特に歯に汚れを溜めないように対策する必要があるでしょう。
異変に気づきにくい
親知らずは奥にあって見えづらいため、異変があったときに発見が遅れる可能性があります。
歯石が溜まっていたり、少し黒くなったりしていても気づきにくく、痛みを感じてから異変に気づくケースも少なくありません。
痛みを感じる頃には、虫歯が重症化していることも多くあります。
親知らずの虫歯を放置するリスク

「痛くないから大丈夫!」と親知らずの虫歯を放置した場合、次のようなリスクがあります。
- 強い痛みを感じる
- 他の歯も虫歯になる
- 口臭の原因になる
- 歯が黒く変色する
- 智歯周囲炎になる
それぞれのリスクについて、詳しく見ていきましょう。
強い痛みを感じる
親知らずの虫歯を放置していると、症状が神経まで到達して強い痛みを感じるようになります。
親知らずの虫歯は、初期段階では痛みを感じないことも多く、症状に気づかないことも少なくありません。
ズキズキとする痛みやしみるような症状は、虫歯が神経まで達している証拠です。
虫歯は早く対処するほど簡単な治療で済むため、親知らずに違和感があれば放置せずになるべく早く歯医者さんを受診してください。
他の歯も虫歯になる
親知らずの虫歯を放っておくと、他の健康な歯まで虫歯になる可能性があります。
虫歯は感染によって進行していくため、親知らずの虫歯が他の歯に感染して健康な歯を傷つけてしまうこともあるため注意しましょう。
また、親知らずに付着している歯垢や歯石が広がり、隣の歯に付くことでも虫歯になる可能性があります。
口臭の原因になる
親知らずの虫歯を放置していると、口臭の原因になることもあります。
虫歯によって開いた穴に食べかすが詰まると、菌が繁殖して口臭を発生させます。
特に、ご飯やパン、果物、甘味類などの糖質が多い食べ物は虫歯菌のエサになりやすく、口臭を悪化させるため注意しましょう。
また、虫歯が進行すると、神経が腐敗したり、歯の根元に膿が溜まったりすることで強い刺激臭を発することもあります。
虫歯が進行すると歯が抜ける原因にもなるため、親知らずの虫歯を放置するのはやめましょう。
歯が黒く変色する
虫歯を放置して神経まで到達すると、歯の神経が壊死する可能性もあります。
神経が壊死すると歯に栄養がいかなくなるため、黒く変色するリスクがあるでしょう。
神経がなくなると強い痛みを感じなくなりますが、この段階までいくと親知らずがボロボロになっている可能性もあります。
智歯周囲炎になる
智歯周囲炎(ちししゅういえん)も、親知らずの虫歯を放置することで起こるリスクのひとつです。
智歯周囲炎とは、智歯(親知らず)が原因で起こる炎症を指します。
智歯周囲炎によって起こる主な症状は、次のとおりです。
- 歯ぐきの痛み
- 歯ぐきの腫れ
- 歯ぐきからの出血
- 膿が出る
症状が進行すると、歯ぐきの腫れが頬や首まで広がることもあるため注意する必要があります。
親知らずが虫歯になったら抜歯した方がいい

「親知らずの虫歯は治療してくれないの?抜歯しかない?」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
親知らずが虫歯になった場合、基本的には抜くのがおすすめです。
親知らずは歯ブラシが届きにくいため、虫歯になりやすい歯といえます。
親知らずが虫歯になったということは、歯ブラシやフロスなどで適切な口腔ケアができていなかったということです。
そのため、親知らずの虫歯を治療したとしても、またすぐに親知らずが虫歯になる可能性が高いと考えられるでしょう。
「できれば抜歯したくない」という方もいるかと思いますが、親知らずは人によっては1本も生えていない方もいるため、本来は無くても問題ない歯です。
虫歯が再発するリスクや痛み・腫れが出るリスクなど、今後のことを考えると親知らずが虫歯になった場合は抜歯するのが良いといえるでしょう。
親知らずの抜歯について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
親知らずの状態によっては抜歯しなくて良いケースもある!

親知らずが虫歯になったら抜歯するのが一般的ではありますが、場合によっては抜歯せずに治療した方が良いケースもあります。
抜歯しなくて良いケースは、主に次の2つです。
- 親知らずがまっすぐ正常に生えている場合
- 親知らずを移植に使用する場合
それぞれのケースについて、詳しく見ていきましょう。
親知らずがまっすぐ正常に生えている場合
親知らずがまっすぐ生えており、食事の際に正常に機能している場合は、歯を抜かずに治療することがあります。
この場合が適用される主な条件は、次のとおりです。
- 虫歯が軽度の場合
- かみ合わせに問題がない
親知らずの虫歯が神経まで到達するような状態の場合、まっすぐ生えていても抜歯になることがあるため、なるべく軽度の間に処置するようにしましょう。
親知らずを移植に使用する場合
親知らずを移植に使用する場合にも、抜歯せずに治療することがあります。
移植に使用する歯を「ドナー歯」と呼び、ドナー歯に親知らずを使用する場合は抜かずに治療するのが一般的です。
ただしドナー歯は、健康かつ不要な歯である必要があります。
虫歯が進行してボロボロになっている歯は、ドナー歯として使用できないため注意してください。
これら2つのケース以外にも、歯列矯正で親知らずを使おうと考えている場合や、麻酔によるリスクが高いと判断された場合などは治療を勧められることもあります。
親知らずが虫歯になるのを防止する方法

親知らずの虫歯を防止する方法は、次のとおりです。
- 正しく歯磨きをする
- 口腔ケアグッズを活用する
- 歯医者さんで定期検診を受ける
それぞれの防止法について、以下で詳しく解説します。
正しく歯磨きをする
親知らずの虫歯を予防するには、毎日の歯磨きを正しく行うことが大切です。
親知らずは食べかすや歯垢が溜まりやすく、歯ブラシが届きにくいため虫歯になりやすいとされています。
そのため、親知らずの表面すべてを綺麗にすることを意識して磨くようにしましょう。
口が小さい方や、頬の肉が邪魔で磨きにくさを感じている方は、ヘッドの小さい歯ブラシを使用するのがおすすめです。
口を大きく開けると親知らずのすき間に歯ブラシが入りづらくなるため、口を軽く開けて磨くようにするのも良いでしょう。
口腔ケアグッズを活用する
デンタルフロスやタフトブラシといった「口腔ケアグッズ」を使用するのもおすすめです。
親知らずは他の歯に比べて磨きづらい位置にあるため、歯ブラシだけではどうしても除去しきれない汚れが残ってしまいます。
デンタルフロスは歯と歯の間の汚れ、タフトブラシは歯ブラシでは磨きにくい部分の汚れを除去するのに効果的です。
他にもさまざまなアイテムがあるため、自分に合った口腔ケアグッズを使って親知らずの虫歯を予防しましょう。
歯医者さんで定期検診を受ける
歯医者さんで定期的に検診を受けるのも、親知らずの虫歯予防に効果的です。
どれだけ丁寧に歯磨きをしていても、食べかすや歯垢を完全に落としきるのは難しいものです。
定期的に検診を受ければ、自分では落としきれなかった歯の汚れをクリーニングで綺麗に除去してもらえます。
また、正しいブラッシングの方法も教えてもらえるため、自分の口内に合った口腔ケアの方法を知れるのも嬉しいポイントです。
そのほか、定期的に口内をチェックしてもらうことで、親知らずの虫歯を軽度の状態で見つけられるため、早期に治療できるでしょう。
まとめ
本記事では、親知らずが虫歯になった場合の治療法や放置のリスク、予防する方法について解説しました。
親知らずの虫歯を放置することで起こるリスクは、次のとおりです。
- 強い痛みを感じる
- 他の歯も虫歯になる
- 口臭の原因になる
- 歯が黒く変色する
- 智歯周囲炎になる
親知らずの虫歯が進行すると、最終的に健康な他の歯まで失うリスクがあるため、親知らずの虫歯はなるべく早い段階で処置するようにしましょう。
平山歯科医院は、患者様が不安なことを気軽に相談できる「アットホームな歯医者さん」を目指して診療を行っています。
患者様との対話を大切に診療・治療にあたっているため、親知らずに関してお困りごとがある方は、お気軽にご相談ください。