親知らず4本を同時に抜歯できる?メリット・デメリットや治療法、費用まで徹底解説!

「親知らずを4本まとめて抜歯したいけれど、本当にできるの?」
仕事や育児で忙しい方にとって、何度も通院するのは負担が大きいため、4本まとめて抜歯することで通院回数を減らせるのは大きなメリットです。
この記事では、親知らずを4本同時に抜歯することは可能なのか、実際の治療方法や麻酔の種類、費用、回復までの流れについて解説します。
治療の不安を少しでも取り除いて、納得のいく選択ができるように、必要な情報を分かりやすくお届けします。ぜひ参考にしてください。
親知らずを4本同時に抜歯することは可能?

親知らずを4本同時に抜歯することは可能ですが、すべての方に適しているわけではありません。
ここでは、親知らずや4本同時に抜歯ができるかどうかについて解説します。
そもそも親知らずとは?
親知らずは「第三大臼歯」とも呼ばれ、通常は上下左右に1本ずつ、計4本が生えてくる歯のことです。
10代後半から20代前半にかけて生えてきますが、現代人の顎のサイズに対してスペースが足りないと言われています。
そのため、まっすぐに生えずに斜めや横向き、歯ぐきに埋まったままの状態になる場合もあります。
これにより、虫歯や歯周病、口腔内の炎症などのトラブルを引き起こしやすく、抜歯が必要となるケースが少なくありません。
親知らずは4本同時に抜歯できるの?
親知らず4本を同時に抜歯することは、医学的に可能です。
歯がまっすぐ生えていて抜歯の難易度が低い場合や患者様の健康状態が良好であること、さらに静脈内鎮静法(静脈麻酔)や全身麻酔などの麻酔環境が整っているといった条件が合えば、同時抜歯ができることもあります。
ただし、横向きや埋伏歯、全身疾患がある場合、または術後の生活に支障が出るような状況では、複数回に分けての抜歯と判断されます。
親知らず4本を同時に抜歯するメリット

親知らずを一度に4本抜歯する方法には、以下3つのメリットがあります。
- 一度で治療が終わる
- 術後の回復に集中できる
- 麻酔や精神的負担も1回で済む
ここでは、3つのメリットについて解説します。
一度で治療が終わる
親知らずを1本ずつ抜歯する場合、通常は数回に分けての通院が必要で、治療が長期間にわたります。
しかし、4本同時に抜歯すれば、通院回数を大幅に減らせるため、治療を短期間で完了できます。
忙しい方や遠方から通う方は、スケジュール調整の負担が軽くなり、効率よく治療を進めることが可能です。
術後の回復に集中できる
通常、1本ずつ抜歯すると、そのたびに数日間は腫れや痛みが出て、仕事や学業、家事などに支障をきたします。
一方で4本同時に抜歯しておけば、こうした制限も一度にまとめられるため、スケジュールを組みやすく、生活への影響も比較的少ないです。
なお抜歯当日と翌日は、激しい運動や長時間の入浴を控え、血行が良くなりすぎないように過ごすことを推奨しています。
麻酔や精神的負担も1回で済む
親知らずの抜歯には不安や緊張を感じる方が多くいますが、4本を同時に抜歯することで、麻酔は1回で済み、精神的な負担も減らせます。
特に全身麻酔や静脈内鎮静法を用いることで、手術中の痛みや不安を感じにくくなり、リラックスした状態で治療を受けることが可能です。
1本ずつ抜歯する際に、毎回必要となる麻酔注射の負担を軽減したい方にとって、大きなメリットとなります。
親知らず4本同時抜歯のデメリットとリスク

一度に4本の親知らずを抜歯する治療には多くのメリットがありますが、その反面、痛みや日常生活への影響、麻酔によるリスクなどの注意点もあります。
- 腫れ・痛みが強く出やすい
- 食事や会話など日常生活への制限が大きくなる
- 仕事・育児などライフスタイルに支障が出る場合も
- 麻酔の副作用や全身状態へのリスク
ここでは、デメリットについて詳しく見ていきましょう。
腫れ・痛みが強く出やすい
4本同時に親知らずを抜くと、複数箇所に炎症が起きるため、通常よりも腫れや痛みが強く現れます。
特に術後2~3日は腫れのピークで、食事や会話が困難になるケースも少なくありません。
その場合、鎮痛薬や抗生物質の服用が必要となり、体への負担も大きくなります。
また、体質によっては腫れが長引いたり、内出血や口が開きづらくなる「開口障害」が出る可能性もあるため、十分に注意しましょう。
食事や会話など日常生活への制限が大きくなる
親知らずを4本抜歯すると口全体が腫れるため、食事では硬い食べ物を避け、流動食や柔らかいものに切り替えることをおすすめします。
また、会話時の痛みや違和感により、仕事や家族とのコミュニケーションに支障をきたす可能性があります。
こうした制限は1週間程度続くため、術後の生活への影響を事前に把握し、適切な準備をしておくことが大切です。
仕事・育児などライフスタイルに支障が出る場合も
痛みや腫れが強く出た場合、通常の仕事や家事、育児に支障が出る可能性があります。
特に肉体労働に従事している方や休めない育児などを担っている方の場合、ゆっくり安静に過ごす時間を取るのが難しいこともあるかもしれません。
また、手術後は集中力が落ちたり、睡眠の質に影響したりすることもあるため、重要な予定がある時期は避けて、スケジュールを調整しましょう。
麻酔の副作用や全身状態へのリスク
全身麻酔や静脈内鎮静法を使用する場合、麻酔による副作用(吐き気や頭痛、悪寒などの軽度なもの)に加え、ごく稀にアレルギーや呼吸抑制などの重篤な反応が起こることもあります。
また、長時間の手術では出血や感染のリスクも高まるため、持病がある方や高齢の方は特に慎重な判断が求められます。
歯科医師から事前の問診・検査を受け、手術の内容に関して十分に説明してもらいましょう。
親知らずを4本まとめて抜歯する際の治療法と麻酔

親知らずを4本同時に抜歯する場合、以下のステップを把握しておきましょう。
- 術前検査とカウンセリングの流れ
- 静脈内鎮静法や全身麻酔の選択
- 手術中の流れ:処置時間や体への負担
- 抜歯後の止血・縫合・ケア方法
それぞれのステップについて、解説します。
術前検査とカウンセリングの流れ
4本の親知らずを一度に抜歯する際には、まず、レントゲンやCT撮影により親知らずの位置や生え方、神経との距離を正確に把握します。
さらに、全身麻酔を希望する場合は、血液検査・心電図・胸部X線などの全身状態の確認も不可欠です。
その上で、医師との面談において治療の流れや麻酔の種類について詳しい説明を受け、不安や疑問点をしっかりと解消していきます。
静脈内鎮静法や全身麻酔の選択
痛みや不安や恐怖心の軽減のため、4本同時抜歯では「静脈内鎮静法」や「全身麻酔」が選ばれます。
静脈内鎮静法は、意識がある状態ながらリラックスして治療を受けられ、痛みの記憶も薄れやすいという特徴があります。
一方で全身麻酔は、完全に眠っている状態であるため、術中の痛みや不快感は一切ありません。
ただし、入院や術後の経過観察が必要な場合もあるため、必ず医師に相談しましょう。
手術中の流れ:処置時間や体への負担
4本の親知らずを同時に抜歯する場合、手術時間は通常約1時間半〜2時間程度かかり、抜歯の難易度によっては、さらに時間を要します。
また手術中は長時間口を開けたままになるため、顎や首、全身への負担も大きいです。
ただし、静脈内鎮静法や全身麻酔を選ぶことで、身体への負担や緊張を減らせます。
抜歯後の止血・縫合・ケア方法
手術後は、まずガーゼを噛んで約30分ほど止血します。
出血が長引く場合は、速やかに歯科医へ相談しましょう。
抜歯の部位によっては縫合が施され、1週間ほどで抜糸が行われます。
術後は痛みや腫れが生じるため、処方された鎮痛薬や抗生物質を指示通りに服用し、うがいや歯磨きは優しく行いましょう。
親知らず4本抜歯後の回復と注意点

親知らずを4本同時に抜歯した後は、体への負担が大きく、回復までの数日間は特に注意が必要です。痛みや腫れのピーク、生活の制限、起こりやすいトラブルとその対応法を知っておきましょう。
腫れ・痛みのピークと回復スケジュール
抜歯後の腫れや痛みは、通常約2~3日目がピークで、この時期は食事や会話も困難になるため、強めの鎮痛薬を使用する場合もあります。
その後、約4~7日目には徐々に症状が落ち着き、1週間を過ぎると日常生活への復帰が見込めます。
ただし、腫れや痛みの程度には個人差があり、完全に回復するまでは2週間ほどかかることもあります。
運動・入浴などの生活面の注意点
術後の激しい運動や重労働は、血圧が上がり出血を引き起こす可能性があるため、術後3日間ほどは安静が推奨されます。
また、入浴も当日はシャワー程度にとどめ、湯船に浸かるのは24時間以降をおすすめします。
うがいも強く行わず、傷口を自然に保護する血餅(けっぺい)を流さないよう注意しましょう。
トラブルが起きたときの対応(ドライソケット・感染など)
術後にはまれに「ドライソケット」や感染などのトラブルが起こることがあります。
ドライソケットは、血餅が剥がれ落ちて骨が露出し、強い痛みが続く状態で、適切な処置が必要です。
感染の兆候としては、熱感や膿、腫れの悪化などが挙げられ、放置すると深刻化する恐れがあります。
どちらのケースも、早めに歯科医師に相談し、適切な処置を受けることで、回復を早められます。
親知らずの4本同時抜歯の費用と保険適用について

親知らず4本を同時に抜歯する際の費用は、保険適用の有無や麻酔の種類で大きく変わります。
ここでは、それぞれのケースに応じた費用と注意点について詳しく解説します。
4本同時抜歯でも保険適用は可能?適用条件と注意点
親知らずの抜歯は、炎症や痛み、虫歯、歯周病などの症状がある場合、保険適用されるのが一般的です。
4本同時でも「治療が必要」と判断されれば保険適用の対象となります。
ただし、美容目的や予防的措置としての抜歯や全身麻酔や静脈内鎮静法などを希望する場合などは、保険対象外になるため要注意です。
保険診療には診療報酬制度があり、親知らずの状態(まっすぐ/埋伏など)によって費用も変動します。
適用の有無や診療範囲は医院の方針にも左右されるため、抜歯前に必ず医師と相談することが大切です。
保険適用の場合の費用相場
保険が適用される場合の親知らず抜歯費用は、1本あたり1,000円〜10,000円程度、4本同時に抜歯した場合の合計は4,000円〜40,000円程度が目安です。
ただし費用は、抜歯の難易度やレントゲン撮影、CT検査、投薬、縫合や洗浄などの処置内容によって異なります。
どこまでを含むかは医院によって異なるため、同じ保険診療でも実際の自己負担額には差が出る可能性があります。
事前に、詳細な説明と見積もりを受けると安心です。
自由診療の場合の費用相場
自由診療での親知らず抜歯は、費用が医院ごとに異なり、1本あたり5,000円〜15,000円程度が相場です。
よって4本同時抜歯の場合、合計で20,000円〜60,000円程度が一般的ですが、これはあくまで「抜歯のみ」の費用であり、麻酔代は別途発生します。
加えて難抜歯や埋伏歯ではさらに高額になる可能性があり、処置内容や設備によっても費用は変動します。
自由診療を選ぶ場合は抜歯費用と麻酔費用を分けて確認し、トータルコストを把握しておくとよいでしょう。
静脈内鎮静法麻酔・全身麻酔を用いる場合の費用と診療区分
4本同時に抜歯する際、静脈内鎮静法や全身麻酔を併用することで、処置中の不安や痛みを軽減できます。
ただし、これらの麻酔は「自由診療扱い」となることが多く、別途費用が発生するので注意しましょう。
静脈内鎮静法では40,000円〜70,000円程度、全身麻酔では約100,000円以上かかると言われています。
つまり、自由診療を選ぶと「抜歯費用+麻酔費用」の合計が必要になり、20万円を超えるケースもあります。
麻酔法を選ぶ際には、安全性・費用・回復時間をふまえて医師と相談しましょう。
まとめ
親知らずの4本抜歯には、治療効率や回復の早さなどのメリットがある一方で、痛みや麻酔のリスクといった注意点もあります。
平山歯科医院では、丁寧なカウンセリングと充実した麻酔管理、術後ケアまで一貫して対応し、安心して治療を受けられる環境が整っています。
費用や保険の相談も可能なため、ぜひ一度ご相談ください。