入れ歯のデメリットとは?治療前に知っておきたい注意点を紹介

入れ歯 オールオン4

入れ歯は歯を失った際の代表的な治療法ですが、天然歯とは違う構造である以上、さまざまなデメリットがあるのも事実です。

噛みにくさやズレの不安、見た目や発音への影響など、使用して初めて気づく点も多くあります。

また、素材や種類によっても快適性や注意点が異なるため、事前に正しい情報を知っておくことが重要です。

この記事では、入れ歯の種類ごとのデメリットをはじめ、他の治療法との比較や、デメリットを軽減するための工夫まで、わかりやすく解説します。

入れ歯のデメリットとは

入れ歯

入れ歯は歯を失った際の治療法として多くの方に用いられていますが、天然歯とは異なる特性から、さまざまなデメリットが存在します。

主なものとしては、噛む力の低下や装着時の違和感、発音のしづらさ、ズレや外れのリスク、定期的な調整が必要な点などが挙げられます。

こうしたデメリットは生活の質に影響を与えることもあるため、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。

特にこれから入れ歯を検討している方にとっては、後悔のない選択をするためにも、メリットだけでなくデメリットも把握しておく必要があります。

噛む力が弱くなる

入れ歯を使用することで、噛む力が大きく低下することが多くのユーザーの悩みとなっています。

天然歯と比較すると、入れ歯の咀嚼力はおよそ30〜40%程度とされており、特に硬いものや粘着性のある食べ物は噛みづらくなります。

この影響により、食事のバリエーションが制限されたり、食べる楽しみが減ってしまったと感じる方も少なくありません。

特に食事を楽しみたいという方には大きな不満要因となることがあります。対策としては、食材を小さく切る、やわらかく調理するなどの工夫が必要です。

違和感や異物感がある

入れ歯はその構造上、口の中に異物があるという違和感を伴いやすく、特に装着初期には強く感じる方が多い傾向にあります。

人工物であるため、自分の口にぴったりと合うまでには時間がかかり、装着時に不快感を覚えるケースもあるでしょう。

また、入れ歯の厚みや形状が大きい場合、舌や頬の動きが制限され、日常生活に支障が出る可能性もあります。

個人差はありますが、嘔吐反射を感じる人もおり、慣れるまで数週間〜数ヶ月を要することもあります。違和感が続く場合は、調整や素材変更の相談も検討しましょう。

発音がしにくくなる場合がある

入れ歯の装着により、舌の動きや口腔内の空気の流れが変わるため、発音が不明瞭になる可能性があります。

特に「さ行」「た行」「ら行」などは発音しにくくなりやすく、聞き取りづらい話し方になってしまうこともあるかもしれません。

人前で話す機会の多い方や、電話応対・接客業などでは、発音の変化によってストレスを感じる場合があります。

慣れや発音練習で改善するケースもありますが、慣れるまでには個人差があるため、根気強い対応が必要です。

また、違和感を感じたら無理せず歯科医院に相談しましょう。

外れる・ズレるリスクがある

入れ歯は、歯ぐきや粘膜に吸着させて使用するため、状況によっては食事中や会話中に外れたりズレたりすることがあります。

特に噛む力が偏ったり、入れ歯が口に合っていない場合には、その可能性が高まります。

こうしたズレや外れは、周囲の人に気づかれたり、恥ずかしい思いをしたりすることにもつながるため、ストレスを感じることもあるでしょう。

入れ歯安定剤を使ったり、定期的に歯科医院で調整を受けたりすることで、入れ歯のズレや外れるリスクの軽減につながります。

定期的な調整やメンテナンスが必要

入れ歯は一度作って終わりではなく、継続的な調整とメンテナンスが必要です。

これは、加齢や生活習慣の影響で口の中の形状が変化し、時間の経過とともに入れ歯が合わなくなることが要因です。

装着感が悪くなると、痛みやズレ、噛みにくさの原因となり、放置しておくと口内炎や顎のゆがみにもつながります。

そのため、半年〜1年に1回の定期検診を受けることが望ましく、常に最適な状態を維持するための努力が求められます。

種類別に見る入れ歯のデメリット

入れ歯

入れ歯にはさまざまな種類があり、それぞれに特有のデメリットが存在します。

自分に合った入れ歯を選ぶためには、それぞれの特徴や注意点を把握しておくことが欠かせません。

ここでは、部分入れ歯・総入れ歯といった基本的な分類に加え、近年注目されているシリコン入れ歯やマグネット式、特殊なドイツ式などのデメリットを詳しく解説します。

部分入れ歯のデメリット

部分入れ歯は、残っている歯にバネを引っかけて固定するタイプが一般的です。

そのため、バネが見えることによる見た目の問題や、支えとなる歯に負担がかかるというデメリットがあります。

また、入れ歯がズレたり外れたりしやすいことや、食べ物が詰まりやすいといったトラブルも発生しやすいです。

さらに、金属のバネ部分が頬や舌に当たって違和感を覚える方もいます。

日常生活での不快感や審美性に不満を感じるケースが多いため、注意が必要です。

総入れ歯(全入れ歯)のデメリット

総入れ歯はすべての歯を補うために使用されますが、その分だけ安定性に欠けるというデメリットがあります。

特に下顎の総入れ歯は、吸着力が弱くズレやすい傾向にあります。

また、噛む力が非常に弱いため、食事の際に不便を感じやすいです。

入れ歯が歯ぐきに当たることによる痛みや、顎の骨が痩せて入れ歯が合わなくなるといった長期的な問題もあります。

快適に使い続けるためには、こまめな調整や、口の状態に合った設計が必要です。

シリコン入れ歯のデメリット

シリコン入れ歯は、柔らかい素材でフィット感が高く、痛みが少ないことから人気があります。

しかし、使用するにつれて素材が劣化しやすく、耐久性にやや不安がある点がデメリットです。

また、シリコン部分は汚れがつきやすく、清掃に手間がかかる場合があります。

さらに、保険適用外となることが多く、費用が高額になる傾向もあります。

快適さと引き換えに、メンテナンスの手間と費用の負担が増す点には注意が必要です。

マグネット(磁石式)入れ歯のデメリット

マグネット式の入れ歯は、磁石の力でしっかり固定できるためズレにくいのがメリットです。

しかし、磁力が劣化すると固定力が弱まり、結果として外れやすくなるリスクが生じる可能性があります。

また、金属を使用しているため、MRI検査に制限が出ることがあり、医療機関によっては注意を促されることもあるでしょう。

さらに、インプラントなど他の治療と組み合わせる必要があるため、治療費が高額になるケースも少なくありません。

コンフォート入れ歯のデメリット

コンフォート入れ歯は、柔軟性のある素材で作られており、痛みが少なくズレにくい点が特徴です。

しかし、その特殊な構造ゆえに、修理や調整が難しく、対応できる歯科医院が限られているのが大きなデメリットです。

また、耐久性の面で不安があるほか、素材や構造の違いにより、使用者によっては異物感を強く感じることもあります。

そして、保険適用外であるため費用も高く、導入のハードルは比較的高めだといえるでしょう。

ドイツ式入れ歯のデメリット

ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯など)は、精密で高機能な入れ歯として知られていますが、導入に高額な費用がかかる点がデメリットです。

一般的に保険適用外となるため、数十万円から百万円近い費用がかかる場合もあります。

また、特殊な構造を持つことから、製作や調整に時間がかかり、治療期間が長くなる傾向にあります。

対応できる歯科医院も限られているため、地域によっては導入が難しい場合もあるでしょう。

高品質ではあるものの、誰でも気軽に選べる治療法ではない点に注意が必要です。

入れ歯のデメリットを軽減する工夫

歯の模型と小さな人の模型

入れ歯にはさまざまなデメリットがありますが、正しい知識と工夫によって、その不便さを軽減することが可能です。

選ぶ素材や形状、使い方を工夫することで、入れ歯での生活が快適になりやすいです。

また、こまめな調整や専用グッズの活用によって、ズレや違和感を改善できる可能性があります。

ここでは、入れ歯をより快適に使うための実践的なポイントを3つに分けて解説します。

自分に合った素材・形状を選ぶ

入れ歯の素材や形状は、使用感や見た目、耐久性に大きく関わります。

例えば、金属床は薄くて丈夫な一方、費用はやや高めです。

シリコン製の入れ歯は柔らかく装着感に優れていますが、汚れがつきやすいなどの注意点があります。

また、部分入れ歯や総入れ歯といった形状の違いでも快適性に差が出ます。

歯科医師とよく相談し、自分の口の状態や生活スタイルに合った設計を選ぶことが重要です。

定期的な調整とメンテナンスを受ける

入れ歯は、装着当初はぴったり合っていても、時間の経過とともに歯ぐきの形状が変わり、ズレや痛みが生じることがあります。

こうした不具合を防ぐには、定期的な調整が欠かせません。

また、入れ歯の人工歯や素材も徐々に摩耗していくため、長く快適に使うためにはメンテナンスが必要です。

半年〜1年に一度は歯科医院で状態を確認し、必要に応じて調整や修理を行うことが推奨されます。

専用グッズを活用した快適な使用方法

入れ歯用の安定剤や洗浄ブラシ、保湿ジェルなどの専用グッズを活用すると、使用中の不快感を減らすことにつながります。

例えば、安定剤はズレを防ぎ、食事や会話時の安心感が高まります。

また、洗浄ブラシを使えば入れ歯を傷めずにきれいに保てるため、口臭予防にも効果的です。

保湿ジェルは、乾燥しがちな口腔内の不快感を和らげるのに役立ちます。

こうしたアイテムを上手に取り入れることで、入れ歯生活がより快適になります。

まとめ

入れ歯には、噛む力の低下や違和感、発音のしづらさといったさまざまなデメリットがあります。

また、素材や構造によっても使い心地や注意点は異なるため、自分に合った入れ歯を選ぶには、事前の理解と準備が欠かせません。

しかし、これらの不便さも、適切な治療や工夫によって大きく軽減することが可能です。

平山歯科医院では、豊富な経験と丁寧なカウンセリングで、一人ひとりのご要望やお悩みに寄り添った入れ歯を提案しています。

「どの入れ歯が自分に合うかわからない」という方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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