入れ歯は何歳から必要?入れ歯になる原因や対策法を紹介

入れ歯 何歳から

さまざまな理由で歯を失ってしまった方は、ご自身の年齢でも入れ歯を作れるのか気になるのではないでしょうか。

入れ歯は、高齢者の方が利用するイメージをもつ方は少なくないでしょう。

実際に厚生労働省が提供するe-ヘルスネットの調査では、70歳以上の高齢者のうち、60%の方が入れ歯を使用しているという結果が出ています。

しかし、虫歯や歯周病、不慮の事故などにより、20〜30代の若年層の方でも入れ歯を使用することは珍しくありません。

本記事では、入れ歯が必要になる年齢から入れ歯になる原因まで詳しく解説していきます。

入れ歯が必要になる年齢

入れ歯 何歳から

厚生労働省が公開した「e-ヘルスネットの調査」のデータによると、45歳〜54歳で残っている歯の平均本数は27本です。

本来生えている歯の本数は28本となっているため、データから判断すると入れ歯を必要とする年齢は、平均で45歳以降からと考えられます。

また、55歳〜64歳は24.5本・65歳〜74歳は20.8本・75歳〜は15.7本と、年齢を重ねるとともに歯の数は少なくなり、75歳以上では約半分の歯が失われていることがわかります。

しかし、これはあくまでも平均的な数値のため、なかには歯周病や外部からの影響により歯を失ってしまう可能性も考えられます。

10代〜30代の方でも、入れ歯が必要になるリスクがあることを認識しておきましょう。

厚生労働省が提供する「e-ヘルスネットの調査」で発表している、年齢別の歯の平均本数と入れ歯使用のパーセンテージを表で紹介します。

なかには親知らずが生えない人もいるため、下記の表では親知らずを除いた28本を対象としています。

年齢永久歯の平均本数
15歳〜24歳28.4本
25歳〜34歳28.7本
35歳〜44歳28.2本
45歳〜54歳27.0本
55歳〜64歳24.5本
65歳〜74歳20.8本
75歳〜15.7本

45歳以上での入れ歯の使用割合は、下記のように加齢とともに高くなります。

年齢部分入れ歯総入れ歯
45歳〜54歳5%ごく少数
55歳〜64歳20%5%
65歳〜74歳40%20%
75歳〜50%40%

入れ歯が必要になる3つの原因

入れ歯 何歳から

入れ歯が必要になる原因は、主に以下の3つが考えられます。

  • 歯周病の悪化
  • 虫歯の放置
  • 外部からの衝撃

それぞれの症状の特徴を詳しく解説します。

歯周病の悪化

入れ歯になる原因でもっとも多いのが歯周病です。

厚生労働省の調べでは、37%の方が歯周病が原因で歯を失っています。

歯周病の主な症状は下記となります。

  • 起床時に口の中がネバネバする
  • 歯磨きの時に出血する
  • 硬いものを噛みにくい
  • 口臭が強くなった
  • 歯肉が腫れる
  • 歯肉が下がって歯の間に隙間ができている
  • 歯がぐらぐらする

歯周病とは、歯の周りの組織に炎症が起きている症状のことで、恐ろしい点はかなり病状が悪化するまで自覚できないことです。

つまり、歯の痛みや腫れなどの症状が自覚できる時期には、すでに進行して抜歯が必要になる状態に近づいていることが考えられます

ここまで症状が進行している場合は、最終的に歯が抜け落ちてしまう可能性があるため、定期的な検診を心がけましょう。

虫歯の放置

入れ歯になる原因で2つ目に多いのは虫歯で、歯を失う2大原因の1つともいわれています。

厚生労働省の調べでは、29%の方が虫歯が原因で歯を失っています。

虫歯の主な症状は下記となります。

  • 歯の溝が黒くなっている
  • 冷たい食べ物や飲み物がしみる
  • 歯磨きの際にデンタルフロスが引っかかる
  • 噛むと痛い
  • なにもしていない状態で歯が痛い

虫歯を長期間放置することで、症状が悪化し治療ができなくなってしまうケースがあり、その結果、抜歯以外の治療法がなくなり、失ってしまった歯を補填する必要が生まれます。

なお、虫歯の原因はミュータンス菌や糖質、歯の質による3つの要素があります。

ミュータンス菌は、食べかすから餌となるショ糖を取り込み、歯垢を作ります。

さらに歯垢の中で原因菌が繁殖し、ショ糖から酸を作り上げ、それが原因で歯が溶けて穴を開けるのです。

外部からの衝撃

入れ歯になる原因で3つ目に多いのが、外部の衝撃により歯が欠けた・割れた場合です。

厚生労働省の調べでは、18%の方が歯の破折が原因で歯を失っています。

破折が起きる原因はさまざまですが、特に傷つくことが多いのは前歯です。

交通事故や転倒などが例として挙げられますが、綺麗に歯が抜けてしまった場合は、植え直すケースもあります。

しかし、折れてしまった場合や、歯周病で骨が弱っている場合では元通りにするのが困難になるでしょう。

入れ歯にならないための注意点

入れ歯 何歳から

年齢を重ねるにつれて、口内の健康状態が気になってくる方が多いと思います。

実際に、歯周病にかかる人は30代を境に一気に増加する傾向にあります。40代では歯周病が原因で歯を失ってしまう人が増え、50代ではさらにリスクが向上します。

そのため、虫歯や歯周病を放置し続けることで、老後を入れ歯で過ごすことになる可能性が十分にあります。

そのような状況を回避するためにも、歯医者での定期的な検診は必要不可欠です。

以下では、それぞれの年齢に沿った歯の注意点を解説します。

30代からの注意点

30代から歯医者で定期検診を行う習慣をつければ、40代・50代で歯を失うリスクを大幅に下げることができます。

定期検診で歯を失ってしまう原因を早期発見することで、治療に対する負担とともに、生涯治療に費やす費用も抑えることが可能です。

この年代から歯医者に通う習慣をつける理由としては、20代後半から30代にかけて、大幅に歯周病にかかる人が増加するためです。

その原因として、30代の働き盛りの人の場合、職場や私生活のなかでストレスを抱えている人が多くいます。

ストレスは寝ている間の歯ぎしり・食いしばりにつながり、これらは歯周病の症状の悪化を促進させます。

基本的に歯周病は自覚症状が少ないため、歯の痛みや腫れがみられた場合は、すでに手遅れになっていることがあります。

症状を放置することで歯周病が進行するものの、歯医者で治療を行わなければ治ることはありません。

理由として、歯周病の原因である歯垢や歯石は、日々の自宅でのケアだけでは全て取り除くことが難しいからです。

そのため、歯周病を治せるのは歯医者での専門的な治療のみとなります。30代からの定期検診により、これらのリスクを下げることが可能です。

40代からの注意点

30代から歯周病にかかる人が増加することを説明しましたが、40代からは、さらに歯周病が原因で歯を失うリスクが向上するため、早期発見・治療が必要です。

厚生労働省の歯科疾患実態調査結果の概要によると、40代前半で31.1%・40代後半で41.1%の人が歯を失っています。

また、永久歯の抜歯原因調査で、歯を失ってしまう原因でもっとも多いのが、37%の割合で歯周病であるということがわかっています。

そのため、40代の人で長い間歯医者に行っていないという場合は、水面下で歯周病が進行している可能性があるため、注意してください。

その状態を放置し続けて歯周病が悪化すれば、それだけ抜歯が必要となるリスクが高まります。

このような事態を避けるために、まずは歯周病を悪化させないことが重要で、さらに改善・予防を行うようにしましょう。

歯を失うリスクを軽減できれば、50代以降の口内の健康維持が楽になります。

仕事や私生活で忙しい時期であることが考えられますが、将来のためにも歯医者で治療と予防を行うことをおすすめします。

50代からの注意点

50代になるまで歯医者で専門的なメンテナンスをうけてこなかった場合、すでに口内の健康状態が損なわれている可能性があります。

50代は将来入れ歯にならないために対策できる最後の年代であるといえます。

上記で説明した通り、歯周病は年齢を重ねるにつれて確実に進行する病気です。

この年代で適切な治療を受けないと抜歯の必要性が高まり、歯を失い食事が満足にできなくなると、入れ歯や高額なインプラントで補填しなければなりません。

症状の進行具合にもよりますが、50代からの治療でも歯周病や虫歯を改善することは可能です。

老後に自分の歯で食事ができ、治療にかかるコストを抑えるためにも、できる限り早い時期に口内の健康を保つための努力をしましょう。

歯周病にかかる9つの原因

入れ歯 何歳から

歯を失う根源である、歯周病にかかる主な原因は下記の9つです。

  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 口内にそぐわない冠や義歯
  • 不規則な食習慣
  • ストレス
  • 全身疾患
  • 部分的に歯が無い
  • 口呼吸の癖

これらに当てはまる方は歯周病にかかりやすい傾向にあるため、歯医者で定期的な検診を行い、早期発見・予防を心がけてください。

歯周病は、歯垢の中の細菌によって歯肉に炎症を及ぼし、歯を支えている骨を溶かしていく病気のため、最終的には歯を失う原因となります。

歯垢は放置することで固くなり、歯石に変化して歯の表面に付着します。歯石は歯磨きだけでは完全に取り除くことができません。

歯医者で処置しない限りその箇所に細菌が侵入し、歯周病を進行させる毒素を出し続けるのです。

まとめ

この記事では、入れ歯が必要になる年齢や原因、入れ歯にならないための注意点を詳しく解説しました。

歯を失う原因でもっとも多いのは歯周病です。

まずは歯を失わないために、定期的な歯医者での検診により、歯周病の治療・予防に取り組むことが、入れ歯にならないための一番の近道です。

『平山歯科医院』は、祖師ヶ谷大蔵で25年間培ってきた技術をもとに、さまざまな歯のトラブルやお悩みにお応えします。

当院では、歯の健康を保つために、3ヶ月から半年に1度の定期検診をおすすめしています。その際に、歯周病や入れ歯に対して不安な点がある場合は、お気軽にご相談ください。

経験豊富なスタッフが丁寧に聞き取りを行い、お悩みの改善に向けて全力でサポートします。

お電話

ご予約