虫歯から子どもを守るために!原因・予防法・治療法を詳しく解説

子どもの虫歯は予防できることが多いものの、適切なケアがなければ進行してしまう恐れがあります。
特に乳歯は虫歯になりやすいため、早期発見と対策が重要と言えるでしょう。
本記事では、子どもの虫歯リスクが高い理由や虫歯を予防するための方法、そして進行した場合の治療法について詳しく解説します。
子どもの健やかな歯を守るために、どのような取り組みをすべきかしっかりチェックしましょう。
子どもの虫歯リスクが高い理由

まずは、子どもの虫歯リスクが高い理由を4つ紹介します。
- 乳歯のエナメル質が薄い
- ダラダラ食べが習慣になりやすい
- 自分で歯磨きがうまくできない
- 虫歯菌への感染
子どもが虫歯になりやすいのは、生活習慣や乳歯がもつ特性が影響することが要因です。
乳歯のエナメル質が薄い
乳歯は永久歯よりエナメル質が薄く、虫歯が進行しやすい傾向があります。
エナメル質は歯の表面を守る重要な役割を果たしますが、乳歯のエナメル質は成人の歯に比べて柔らかく、酸に対する耐性が低いです。
そのため、わずかな酸でも歯の表面が溶けやすく、虫歯のリスクが高くなります。
乳歯の健康は後の永久歯にも影響を与えるため、虫歯の兆候を見逃さないことが大切です。
ダラダラ食べが習慣になりやすい
おやつや飲み物を頻繁に口にすると歯に付着した糖分が長時間放置され、虫歯の原因となることがあります。
特に甘いおやつをダラダラ食べることが多い子どもは、虫歯菌が繁殖しやすくなるため注意が必要です。
そのため、親としては子どもに食事の時間を決めさせ、だらだら食べる習慣をつけないようにしましょう。
甘いおやつの摂取頻度を減らすことも虫歯予防には効果的です。
自分で歯磨きがうまくできない
歯磨きは虫歯予防の基本ですが、小さな子どもはまだ自分でしっかり磨けないことが多いです。
特に奥歯や歯の隙間などは磨き残しが出やすいため、虫歯の原因につながります。
親による仕上げ磨きが必要な年齢には、適切な歯磨き指導と手助けを行いましょう。
歯磨きを嫌がる子どももいますが、歯磨きが楽しい時間だと感じられるように工夫することが有効です。
例えば、好きなデザインの歯ブラシや絵本を使う、音楽を流すなどして、楽しく歯磨きができる環境を整えましょう。
虫歯菌への感染
子どもは、親や周囲の人との接触によって虫歯菌(ミュータンス菌)が口内に移ることで、虫歯が発症します。
例えば、親と子どもで食器や食べ物の共有をしたり、キスをしたりする行動が感染の原因として挙げられるでしょう。
虫歯菌への感染を防ぐためには、子どもへの直接的な感染経路を避けることが重要です。
家族全員で虫歯予防に気をつけ、子どもへの感染に注意を払うことが、虫歯を防ぐ第一歩と言えるでしょう。
子どもの虫歯の進行とその影響

子どもの虫歯、とくに乳歯にできた虫歯は、大人の歯に比べてエナメル質や象牙質が薄いため、進行が非常に早いという特徴があります。
見た目には小さな黒ずみにしか見えなくても、内部ではすでに神経近くまで虫歯が進んでいるケースも珍しくありません。
乳歯はいずれ生え変わるから大丈夫と思われがちですが、虫歯を放置すると永久歯の形成や歯並び、噛み合わせにも悪影響を及ぼします。
ここでは、乳歯の虫歯がなぜ進行しやすいのか、その理由や注意点について詳しく見ていきましょう。
乳歯の虫歯は進行が早い
乳歯の虫歯が進行しやすい原因は、乳歯の薄いエナメル質にあります。
永久歯よりも酸に耐性がない乳歯は、数ヶ月で重度の虫歯になることもあるため注意しましょう。
また、乳歯は永久歯に生え変わる前に失われることが多いですが、その間に虫歯が進行すると、永久歯の発育や歯並びに影響を与える可能性もあります。
「乳歯は生え変わるから大丈夫」と楽観視せず、早期に治療し進行を防ぐことが重要です。
虫歯が他の乳歯にも広がるリスク
乳歯に虫歯が発生すると、その周辺の歯にも虫歯が広がるリスクが高まります。
虫歯菌は感染力が強いため、1本の虫歯が放置されるとどんどん他の歯に菌が広がってしまいます。
その結果、複数の歯を治療しなければならない状況に陥ってしまうこともあるため注意しましょう。
また、虫歯が進行すると歯の健康だけでなく、顎や顔の発達にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、虫歯が広がる前に早期治療を行うことが大切です。
将来的な歯並びへの影響
乳歯の虫歯が進行し抜歯を余儀なくされると、その後の永久歯の生え方に影響を与えることがあります。
乳歯が失われた後に周囲の歯が動いてしまい、永久歯が適切に生え変わらなくなる可能性があるのです。
さらに、乳歯が虫歯で失われると永久歯が生え変わるタイミングで歯並びが乱れ、噛み合わせに問題が生じることがあります。
噛み合わせが悪くなると後々矯正治療が必要になることが多いため、乳歯の虫歯を放置しないように心がけましょう。
虫歯による生活の質への影響
虫歯が進行すると、子どもの生活の質に深刻な影響を及ぼすことがあります。
食事を楽しめなくなり、栄養不足や体重減少を引き起こしてしまうかもしれません。
また、痛みや不快感が強くなると、会話や日常生活に支障をきたすだけでなく、学校生活や遊びにも集中できなくなるでしょう。
さらに、歯の見た目に問題が生じることで、歯並びや笑顔に自信を持てなくなる可能性もあります。
子どもが健康的で自信をもって生活できるようにするためにも、虫歯を早期に発見し治療することが大切です。
子どもの虫歯を予防するためにできること4選

子どもの虫歯は、予防が非常に重要です。
ここでは、虫歯を予防するためにできることを、以下の4点に分けて紹介します。
- 定期的な歯科検診
- 食生活の見直し
- 仕上げ磨き
- フッ素塗布
子どもが虫歯にかかるリスクを減らすためにも、正しい予防法を実践しましょう。
定期的な歯科検診
定期的な歯科検診は、虫歯を早期に発見するための効果的な方法です。
歯科医師による検診で、初期の虫歯や歯の異常を早い段階で見つけられれば、進行を防止できるだけでなく、治療に必要な費用も抑えられるでしょう。
特に子どもの虫歯は痛みを伴わないケースが多く、気づかないうちに進行してしまうことがあるため、6ヶ月に一度の歯科検診の受診がおすすめです。
定期的な検診を受けて歯の健康を守りましょう。
食生活の見直し
食生活は虫歯の予防において非常に重要な役割を果たします。
糖分を多く含む食べ物や飲み物は、虫歯菌のエサとなり歯の表面を溶かしてしまいます。
そのため、子どもには甘いおやつやジュースを頻繁に与えないように注意しましょう。
そのほかにも、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、歯の健康を守るだけでなく体全体の健康をサポートできます。
特にカルシウムやビタミンDは歯を丈夫にするため、積極的に摂取するようにしましょう。
仕上げ磨き
子どもが自分で歯磨きをしても、細かい部分まできちんと磨けていないことが多いため、親が仕上げ磨きを行うことが重要です。
仕上げ磨きの際は、乳歯の奥歯や歯の隙間を重点的に磨いてあげると良いでしょう。
その際、親が正しい磨き方を実践し、子どもにその方法を教えることが、虫歯予防につながります。
仕上げ磨きは、子どもの成長に合わせて10歳くらいまで続けることが推奨されていますが、この期間に正しい歯磨き習慣を身につけさせることが大切です。
フッ素塗布
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯菌による酸の攻撃から歯を守る効果が期待できます。
フッ素塗布の処置は歯科医院で受けられる予防法で、虫歯になりやすい子どもには特に有効です。
特に乳歯や永久歯が生え始めたばかりの時期は、フッ素塗布を行うことで歯の質を強化できるため、効果的な予防法と言えるでしょう。
フッ素塗布の期間は数か月に一度が一般的なため、歯科検診と合わせて行うのがおすすめです。
子どもの虫歯治療法

最後に、子どもの虫歯治療法について解説します。
- 初期虫歯の治療方法
- 中程度の虫歯の治療方法
- 重度の虫歯の治療方法
子どもの虫歯治療法を段階別にそれぞれ見ていきましょう。
初期虫歯の治療方法
初期虫歯は、歯の表面に小さな白い斑点が現れる段階です。
この時点での虫歯はまだそれほど進行しておらず、エナメル質が一部溶けてしまっているだけの状態と言えます。
この状態の虫歯は痛みを伴わないことが多いため見過ごされがちですが、早期に対処することで進行を防止できるでしょう。
治療方法としては、フッ素塗布が一般的で、歯を削らずに済むことがほとんどです。
中程度の虫歯の治療方法
中程度の虫歯は、エナメル質を越えて象牙質にまで進行した状態です。
虫歯が象牙質にまで進行すると、冷たいものや甘いものを食べたときに痛みを感じることが多いため、早急な治療が求められます。
治療方法としては、虫歯部分を削り、詰め物で治療します。
詰め物には、金属やプラスチック素材のコンポジットレジンなどが使われますが、子どもの歯にはコンポジットレジンが使われることが多いです。
詰め物の処置を行うことで、虫歯の進行を阻止しつつ歯の機能を維持できるようになります。
重度の虫歯の治療方法
重度の虫歯は、虫歯が歯の神経まで進行している状態のため、神経を取る治療である「根管治療」が必須です。
根管治療とは、歯の中にある神経と血管を取り除き、根の部分を消毒して詰め物をする治療法を指します。
また、虫歯が進行しすぎて歯を保存できない場合は、抜歯の処置を選択しなければならないケースもあるでしょう。
その場合、子供用の入れ歯での対処が求められることもあるため、歯科医師とよく相談する必要があります。
まとめ
子どもの虫歯治療は、早期の発見と対応が肝心です。
初期段階であればフッ素塗布などの簡易的な処置で済みますが、重度になると根幹治療や抜歯の可能性も避けられません。
子どもの将来を一番に考えるのであれば、やはり日々の歯磨きや食生活の改善、定期的な歯科検診を心がけることが大切です。
平山歯科医院では、小児歯科に対応しており、お子様が苦手意識を持たないような診察を行っています。
お子様の歯の状態が気になる場合には、当院に一度ご相談ください。