親知らずが生えてくる年齢は?年代別抜歯リスクと早めに抜いた方がいい理由

「親知らずは何歳くらいで生えてくる?」「抜歯のベストタイミングは何歳?」「そもそも親知らずは必ず抜いた方がいいの?」
など、親知らずについて気になっている方は多いでしょう。
親知らずが生えてくる年齢には個人差がありますが、トラブルになるケースもあるため、生え方によっては抜歯を検討する場合もあります。
親知らずを抜く場合、時期はなるべく早いうちがおすすめです。
この記事では、親知らずが生えてくる年齢や抜歯のタイミング、年代別の抜歯リスク、抜くべきかどうかの判断基準、そして生えてきた際の対処法まで詳しく解説します。
親知らずが生えてくる年齢は何歳?

親知らずは最も奥に位置する永久歯で、正式名称を「第三大臼歯」と言い、「智歯(ちし)」や「知恵歯(ちえば)」と呼ばれることもあります。
通常の永久歯が15歳頃までに生え揃うのに対し、親知らずはかなり遅れて生えてくることが特徴です。
親知らずが生えてくる年齢には個人差があるものの、3〜4歳頃から顎の骨の中で作られ始めます。
8〜10歳頃にはレントゲンで確認できるようになり、実際に歯茎から顔を出すまでには長い時間をかけてゆっくりと成長しています。
ここでは、親知らずが生えてくる年齢について詳しく解説します。
平均年齢は10代後半〜20代前半
親知らずが生える年齢は10代後半から20代前半が一般的です。
具体的には17歳から22歳の間に生える方が多いとされますが個人差があり、早い方では16歳頃から生え始め、遅い方は25歳を超えてから生えてくることもあります。
「親知らず」という名前の由来にはいくつか説がありますが、一般的には「親に知られない年齢で生えてくる歯」という理由から、このように呼ばれるようになったと言われています。
30代・40代・50代で生えてくる人もいる
親知らずの生える時期は個人差が大きく、平均年齢は10代後半〜20代前半ですが、まれに30代・40代・50代で生えてくる方もいます。
これは、歯の成長や萌出(ほうしゅつ)の遅れ、埋伏歯(骨や歯肉の中に埋まったままの歯)などが影響しているためです。
生えてこない人もいる
親知らずは上下左右に計4本あることが一般的ですが、全ての人に4本が生えるわけではありません。
生まれつき親知らずが存在しない方(先天性欠損。親知らずが発育段階から形成されず存在しない)や、4本揃わない方も多くいます。
歯や顎の形状、骨格は遺伝すると考えられており、親知らずの生え方にも遺伝が影響している可能性が指摘されています。
親知らずがないことはあまり珍しいことではなく、平成時代の日本人の場合、親知らずの欠如率は下顎で約12%上顎で約20%ほどの割合という結果が出ています。
(参考:愛知学院大学歯学部「日本人第3大臼歯欠如頻度の時代変化」)
親知らずが生えてくる前兆

親知らずが生えてくるときには、以下のような前兆や症状が現れることがあります。
- 歯茎がうっすら白っぽく見える
- 歯茎がムズムズする・違和感がある
- 奥の歯茎に食べ物や歯ブラシが当たると痛い
- 歯茎に圧迫感がある など
上記のような症状がある場合、親知らずが生えてくる前触れかもしれません。
何も症状を感じない方もいますが、違和感や痛みを感じる方もいます。
親知らずが上下で噛み合っていなかったり、食べかすや汚れが詰まって炎症を起こしたりすると痛むこともあるため、気になる場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
抜いた方がいい親知らずと抜かなくてもいい親知らず

虫歯になりやすく、抜歯するイメージが多い親知らずですが、必ずしも抜かなければいけないわけではありません。
将来的に他の歯を失った場合の移植、ブリッジや入れ歯の支えとして利用できる可能性があるため、正しく生えていれば、残しておくケースもあります。
以下で、抜いた方がいい親知らずと抜かなくてもいい親知らずについてそれぞれ紹介します。
抜いた方がいい親知らずの特徴 | ・痛みや腫れなどの症状がある、症状を繰り返す ・横向きや斜めに生えている、部分的にしか生えていない ・虫歯や歯周病になっている ・隣の歯に悪影響を及ぼしている ・矯正治療の妨げになっている |
抜かなくてもいい親知らずの特徴 | ・まっすぐ生えており上下でしっかり噛み合っている ・痛みや腫れなどのトラブルがない |
親知らずを抜くべきかどうかは自己判断はできず、歯科医師によるレントゲン診断や口腔内の状態確認が必要です。
親知らずが生えてきて、抜歯した方がいいのか気になっている場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
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→親知らずは早く抜く方がいい?メリットやデメリット、抜いたほうが良い人の特徴を解説!
年代別!親知らずの抜歯について

親知らずは、「なるべく若いうち、早いうちに抜いた方がいい」といわれています。
年代によって親知らずの抜歯にどのような違いがあるのか、ここから詳しく解説します。
10代・20代の場合
親知らずの抜歯のタイミングとして一般的に推奨されているのが、10代後半です。
10代のうちは親知らずの根が完全に成長しきっておらず、骨も柔らかいため、抜歯が比較的容易で治癒も早いのが特徴です。
20代も10代と同様、骨がまだ硬くなっていないため抜歯しやすく、抜歯後の腫れや痛みも少なく済み、傷の治りも早い傾向にあります。
10代〜20代のうちは体力も回復力もあるため、なるべくこの時期に抜歯を検討するといいでしょう。
女性の場合、妊娠や出産と重なる年代でもあり、将来のことを考えても早めの抜歯がおすすめです。
30代・40代の場合
30代をすぎると、骨が硬くなり、歯と骨との癒着も強くなるため、抜歯の難易度が上がります。
現代の30代・40代はまだまだ若い年齢ではあるものの、10代や20代のうちに比べるとどうしても回復力は下がり、治療後の回復期間も長くなる傾向があります。
50代・60代以降の場合
50代・60代以降になると、骨が硬くなるだけでなく、全身疾患によるリスクにも注意が必要です。
年齢的に、高血圧や糖尿病、心臓病、骨粗鬆症などの疾患が増えてくるため、若いうちに比べると抜歯自体のリスクが高くなります。
抜歯が大掛かりになるケースもあり、ダメージの大きさから痛みや腫れが長引くこともあります。
親知らずは早めに抜いた方がいい理由

なぜ親知らずは早めに抜いた方がいいと言われるのか、その主な理由は以下のとおりです。
- 若いうちの方が骨が柔らかく抜歯しやすい
- 抜歯のリスクを抑えられる
- 抜歯後の傷口の回復が早い傾向にある
- 虫歯・歯周病のリスクを抑えられる
- 痛みがないうちの方が抜歯がスムーズに行える
年齢を重ねるほど骨が硬くなっていきますが、親知らずが生えてくる20代頃はまだ骨が柔らかく、抜歯しやすい時期です。
また、若いうちに抜歯した方が、下顎管を損傷するリスクを抑えられることも理由です。
親知らずの根は加齢に伴い下顎管(下歯槽神経、下歯槽動脈、下歯槽静脈が通る管)に近づいていくため、抜歯のリスクが高まってしまいます。
さらに、一番奥に生えている親知らずは、しっかり磨いてもどうしても磨き残しが出やすく、虫歯や歯周病になりやすい歯であるため、トラブルが起こる前に抜いた方がいいケースもあります。
親知らずに限った話ではありませんが、痛みや炎症が出ているときは麻酔が効きにくくなり、すぐに抜歯ができません。
スムーズに親知らずを抜歯するためには、痛みが出てからではなく、痛みが出る前に処置するのがおすすめです。
親知らずを抜くベストなタイミング

では、何歳頃に親知らずを抜くのがいいのでしょうか?ここでは、親知らずを抜くベストなタイミングについて解説します。
10代後半〜20代前半がおすすめ
親知らずの抜歯に適しているとされるのが、10代後半〜20代前半のうちです。
親知らずが根の先まで完成していないため神経を損傷してしまうリスクも低く、傷の治りも早くおすすめの時期です。
親知らずはこのくらいの時期に生えてくることも多いため、「親知らずが生えてきたかも…」と思ったら、その時点で一度歯科医院で相談してみるといいでしょう。
何歳でも抜歯自体は可能
親知らずの抜歯は若い方がいいと言われますが、抜歯自体に明確な年齢制限はなく、何歳でも可能です。
50代や60代の方の場合、すでに親知らずの虫歯や歯周病が進行し、隣の歯にまで悪影響を与えているケースも少なくありません。
高齢の方の場合、持病や免疫力の低下によって抜歯が難しくなってしまう可能性もあるため、なるべく早めに歯科医院で相談しましょう。
親知らずが生えてきたときの対処法

ここでは、もしも親知らずが生えてきたらどうすればいいか、対処法を紹介します。
丁寧に歯磨きをする
親知らず周辺は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいです。
汚れが付いたままになると痛みや腫れなどのトラブルにつながるため、丁寧にブラッシングしましょう。デンタルフロスやタフトブラシを活用するのもおすすめです。
痛みがある場合は応急処置をする
もしも親知らず周辺に痛みが出ている場合は、保冷剤を巻いたタオルなどを頬に当てて冷やすと痛みが和らぐことがあります。
また、痛みが治まらない場合は、市販の痛み止めを服用することで痛みを一時的に軽減できます。
ただし、これらはあくまで一時的な対処法であり、根本的な原因を解決できるわけではないため、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯科医院を受診する
全く痛みや違和感などの自覚症状がない場合や、応急処置によって痛みが治まった場合でも、一度歯科医院を受診しましょう。
歯科医院では、親知らずのクリーニングや消毒、薬の塗布、痛み止めの処方などの治療を行います。
また、親知らずの状態をチェックして、抜歯が必要かどうかの判断も可能です。
横向きや斜めに生えてきた親知らずを放置すると、虫歯や歯周病、智歯周囲炎(親知らず周囲の歯茎の炎症)、歯並びの悪化、顎関節症などのトラブルを引き起こす可能性があります。
歯科医院に苦手意識がある方こそ、痛くないうちから歯科医院で相談するのがおすすめです。
まとめ
親知らずが生えてくる年齢は個人差が大きく、一般的には10代後半から20代前半に生えてくることが多いですが、30代を過ぎて生えてくる方や、生えてこない方もいます。
また、親知らずは必ず抜歯が必要なわけではなく、虫歯リスクや歯並びへの影響などを考えて、抜歯するか残すかを検討します。
抜歯が推奨される場合、10代後半〜20代前半頃がベストタイミングです。年齢を重ねるほど抜歯の難易度やリスクが高くなるため、早めに歯科医院で相談しましょう。
祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩7分の平山歯科医院では、徹底された衛生管理のもと、プライバシーに配慮された個室でリラックスして親知らずの治療・抜歯を受けていただけます。
「親知らずを抜くべきか迷っている」「親知らずが痛む…」など、親知らずについてお悩みや不安がある方はお気軽にご相談ください。