予防歯科の治療内容とは?目的やメリット・重要性などについて解説

治療器具と虫眼鏡

予防歯科はその名の通り虫歯や歯周病などを予防し、健康な口内を維持するための診療科です。

定期的に予防歯科に通うことで、専門的なクリーニングやブラッシング指導などを受けながら、口内の健康を維持して自分の歯を守ることができます。

また虫歯や歯周病などの早期発見・早期治療にも役立つのが大きな特徴です。

この記事では、予防歯科の治療内容について詳しく解説します。

予防歯科の目的や重要性、メリット、自宅でのセルフケア方法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

予防歯科とは?

歯の模型で歯磨き指導

予防歯科とは、虫歯や歯周病などを予防するための歯科です。

ここでは予防歯科の特徴や目的について見てみましょう。

予防歯科の特徴

予防歯科では口腔内全体の検査や診断、クリーニング、フッ素塗布、生活指導やブラッシング指導などさまざまなことが行われます。

予防歯科で行うクリーニングは、歯磨きでは落とせない歯垢や歯石を取り除けるのも大きな特徴です。

予防歯科に定期的に通うことにより、口腔内環境を整えて歯の寿命を長持ちさせることが可能です。

予防歯科の目的

予防歯科の目的は、虫歯や歯周病のリスクを減らすことです。

厚生労働省や日本歯科医師会が推奨している運動に『8020運動』があり、これは80歳になっても20本以上の歯を残すことを目標とするものです。

歯を失う原因として多いのが虫歯や歯周病で、予防歯科はこれらの病気を未然に防ぐことを目的としています。

予防歯科の治療内容

歯科医院の治療器具とセルフケア用品

予防歯科の治療内容は主に以下の4つです。

  • 口腔内全体の検査・診断
  • PMTC
  • フッ素塗布
  • ブラッシング指導

ここでは上記4つの治療内容についてそれぞれ解説します。

口腔内全体の検査・診断

予防歯科では、口腔内全体の検査・診断を行います。

レントゲン撮影を行うことにより普段直接見られない部分を確認できるため、気づきにくい虫歯や歯周病の初期状態でも早期発見可能です。

口腔内の肉眼所見とレントゲン所見を照らし合わせ、歯や歯ぐきに炎症がないか確認します。

PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯科医院で受けられる専門家によるクリーニングです。

専用の機器とフッ化物入り研磨剤を使用し、歯磨きでは落とせない歯垢や歯石を除去できます。

PMTCでは以下のような効果が期待できます。

  • 虫歯や歯周病を予防できる
  • 歯質を強化する
  • 着色汚れを落とし歯本来の白さや光沢を取り戻せる
  • 口臭が改善する

汚れを取り除いた後に歯を滑らかに磨き上げるため、歯本来の白さや光沢を取り戻したり、口臭が改善したりといった効果も期待することが可能です。

フッ素塗布

予防歯科では歯へのフッ素塗布を行います。

9,000ppmという高濃度のフッ素を歯に塗布することにより、以下のような効果が期待できます。

  • 再石灰化を促進する
  • 歯質を強化する
  • ミュータンス菌の働きを抑制する

食事をすると口内が酸性に傾いて歯が溶けだす脱灰が起こりますが、唾液の作用によって溶けだしたカルシウムやリンが歯の表面に戻る再石灰化が起こります。

フッ素にはこの再石灰化を促進する効果があるため、虫歯予防に役立つのです。

さらに虫歯の原因でもあるミュータンス菌の働きを抑制できるのも大きなメリットといえます。

定期的にフッ素塗布を行うことで、歯質を強化しながら虫歯を予防できます。

ブラッシング指導

予防歯科では、正しい歯磨きの仕方を身につけられるブラッシング指導を行っています。

健康的な口腔環境を保つためには毎日の歯磨きが非常に重要ですが、方法が間違っていると磨き残しができ、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

間違った歯磨きの仕方は歯や歯ぐきにダメージを与える原因にもなるため、予防歯科のブラッシング指導で正しい仕方を身につけることが大切なのです。

自分に合ったブラッシング方法や歯ブラシの選び方などのアドバイスがもらえます。

予防歯科を受診するメリット

メリットと書かれた積み木

予防歯科を受診するメリットは以下の通りです。

  • 虫歯や歯周病を予防・早期発見できる
  • 清潔感のある口元を維持できる
  • 全身の病気を予防できる
  • 将来的な治療費を抑えられる

ここでは上記メリットについてそれぞれ解説します。

虫歯や歯周病を予防・早期発見できる

予防歯科を受診する大きなメリットは、虫歯や歯周病を予防・早期発見できることです。

虫歯や歯周病は初期段階ではほとんど自覚症状がないため、症状が進んでからでないと自分で気づけないことが多いです。

予防歯科に定期的に通っていれば単に虫歯や歯周病を予防できるだけでなく、自分では気づけない初期段階で早期発見できます。

虫歯や歯周病の早期発見・早期治療のためにも、積極的に予防歯科を受診しましょう。

清潔感のある口元を維持できる

予防歯科のPMTCを受けることで、清潔感のある口元を維持できます。

歯の黄ばみを取り除いて歯本来の白さや光沢を取り戻せるだけでなく、歯垢や歯石が原因で起こる口臭を予防可能です。

全身の病気を予防できる

予防歯科の受診は、全身の病気の予防にもつながります。

虫歯や歯周病は口の中の健康状態を損なうだけでなく、全身の病気を引き起こしたり悪化させたりする原因にもなります。

虫歯や歯周病によって発症のリスクが高まる病気は以下の通りです。

  • 誤嚥性肺炎
  • 関節炎
  • 糖尿病
  • 生活習慣病
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞 など

虫歯や歯周病の原因菌が血液に流れ込み、血流に乗って全身を巡ることでさまざまな病気を発症することがあります。

上記の中でも特に危険なのが動脈硬化により引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞で、命の危険もある病気です。

予防歯科は、全身の病気の予防にもつながります。

将来的な治療費を抑えられる

予防歯科を定期的に受診することで、将来的な治療費を抑えられます。

予防歯科の定期検診は年数回程度で、保険が適用される場合は口腔内検査・歯石除去・フッ素塗布まで含めて1回4,000〜5,000円程度です。

虫歯や歯周病になってから治療を始めると、費用も時間も予防歯科の数倍かかることになります。

将来的な治療費を抑えるためにも、予防歯科を定期的に受診するのがおすすめです。

自宅で出来るセルフケア方法

歯磨き粉をつけた歯ブラシ

自宅で出来るセルフケア方法は以下の通りです。

  • 丁寧に歯磨きをする
  • デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
  • フッ素入り歯磨き粉を使用する

ここでは上記3つのセルフケア方法についてそれぞれ解説します。

丁寧に歯磨きをする

虫歯や歯周病を予防するためには、丁寧に歯磨きをすることが大切です。

また間違った歯磨きの仕方は磨き残しができるだけでなく、歯や歯ぐきを傷つけてしまう恐れもあります。

正しい歯磨きの仕方は以下の通りです。

  • 歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目にきちんと当てる
  • 歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で動かす
  • 5~10mm幅を目安に小刻みに動かす
  • 1~2本ずつ丁寧に磨く

歯垢は歯と歯の間や奥歯の噛み合わせ、歯と歯茎の境目、歯並びがデコボコしているところに溜まりやすいです。

歯垢が溜まりやすいところは、より丁寧に磨きましょう。

ブラシはヘッドが小さく、毛先が普通もしくは柔らかいものを選ぶのがおすすめです。

予防歯科で自分に合った歯ブラシについてアドバイスをもらうのもよいでしょう。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

歯ブラシでは歯と歯の間の歯垢をきちんと除去できないため、デンタルフロスや歯間ブラシも使用しましょう。

デンタルフロスと歯間ブラシの特徴は以下の通りです。

  • デンタルフロス:隙間が狭い部分の清掃に適した糸状のアイテム
  • 歯間ブラシ:隙間が広い部分の清掃に適したブラシ状のアイテム

デンタルフロスは歯と歯の隙間が狭い方、歯間ブラシは歯と歯の隙間が広い方に適しています。

どちらもさまざまな種類があるため、自分に合ったものを選びましょう。

フッ素入り歯磨き粉を使用する

フッ素入り歯磨き粉を使用することで、再石灰化の促進や歯質の強化、ミュータンス菌の働きの抑制などの効果を得られます。

これらの効果をしっかり発揮するためにはフッ素を口内に長く残すことが重要となるため、以下のポイントを押さえて使用しましょう。

  • 歯磨きのあとは少量の水で1回だけすすぐ
  • 寝る前に使用する
  • 歯磨きは2~3分程度時間をかける

上記のポイントを押さえて使用することで、フッ素の虫歯予防効果を高められます。

予防歯科に関するよくある質問

クエッションマーク

予防歯科に関するよくある質問をまとめました。

  • 予防歯科はどのくらいの頻度で通うべき?
  • 予防歯科の定期検診はなぜ重要なの?

ここでは上記の質問についてそれぞれ回答します。

予防歯科はどのくらいの頻度で通うべき?

予防歯科は3〜4か月に一度の頻度が目安です。

3か月程度であれば、万が一虫歯や歯周病を発症してしまっても症状が軽いうちに早期発見・早期治療できます。

ただし、歯質やお口の中の状態、ライフスタイルなどによっても適切な頻度は変わってくるため、歯科医師と相談のうえで、自分に合った頻度で継続して通いましょう。

予防歯科の定期検診はなぜ重要なの?

予防歯科の定期検診は、口内の健康を維持するために重要です。

定期的に予防歯科に通うことにより、虫歯や歯周病を早期発見・治療できるのはもちろん、清潔感のある口元を維持できます。

まとめ

予防歯科は、健康的な口内を維持して虫歯や歯周病のリスクを減らす目的があります。

予防歯科での主な治療内容は口腔内全体の検査・診断、PMTC、フッ素塗布、ブラッシング指導などです。

虫歯や歯周病は初期段階では自分で気づきにくいため、早期発見・早期治療を実現するためには歯科医院の定期検診が非常に重要になります。

平山歯科医院では、今回解説したブラッシング指導や歯石除去、フッ素塗布などの処置を行っています。

患者さんの要望や不安をお伺いしたうえで適切なアドバイスを行っているため、口腔内の健康を維持したい方はぜひ一度ご来院ください。

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