抜歯後の食事のポイントは?避けたほうが良い食べ物やおすすめの食べ物を紹介

「抜歯後はいつから食事ができるの?」「抜歯後の食事で食べないほうが良い食べ物はあるの?」「抜歯後はご飯を食べられない?」などのお悩みや疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
抜歯後は傷口ができるため、食事内容に気を配る必要があります。
ここでは抜歯後の食事のポイントについて詳しく解説します。
避けたほうが良い食べ物やおすすめの食事メニューなどもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
抜歯後の食事はいつから可能?

抜歯後の食事は、手術中にかけていた麻酔が切れてから可能です。
麻酔が完全に切れるまでの時間には個人差がありますが、3〜4時間程度が目安となります。
1〜2時間程度で徐々に麻酔が切れてきますが、麻酔が完全に切れていない状態で食事をすると思い通りに咀嚼できず、口の中のケガや火傷、誤飲などを引き起こすリスクがあります。
口内の違和感がなくなり、完全に麻酔が切れてから食事を摂るようにしましょう。
抜歯後の食事のポイント

抜歯後の食事のポイントは以下の3つです。
- 歯を抜いたほうの反対側で噛む
- 柔らかい食べ物から食べる
- 栄養豊富な食べ物を積極的に摂る
ここでは上記3つのポイントについて詳しく解説します。
歯を抜いたほうの反対側で噛む
食事を再開する際は、歯を抜いたほうの反対側で噛むようにしましょう。
抜歯後の食事では、食べかすが傷口に入り込むのを防ぐ必要があります。
食べかすは細菌が繁殖する原因となり、傷口に入り込むと炎症を起こして痛みや腫れなどが生じる恐れがあるためです。
例えば右の歯を抜いたら左側の歯で咀嚼するように意識してみてください。
柔らかい食べ物から食べる
抜歯後は柔らかい食べ物から食べるようにしましょう。
以下のような食べ物がおすすめです。
- 雑炊
- おかゆ
- お茶漬け
上記のような柔らかい食べ物なら、傷口を刺激せずに食べられます。
しかし柔らかい食べ物でも、吸い込んで食べる食べ物は避けたほうが良いでしょう。
吸い込むときに傷口にできた血餅がはがれ、出血や痛みの原因となる恐れがあります。
栄養豊富な食べ物を積極的に摂る
抜歯後の傷口の治りを早めるために、栄養豊富な食べ物を積極的に摂りましょう。
具体的にはビタミンAやビタミンB群、ビタミンC、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれた食べ物がおすすめです。
栄養素 | 働き | 食材 |
ビタミンA | 皮膚や粘膜を健やかに保つ | 豚レバー、鶏レバー、牛乳、プロセスチーズ、にんじん、ほうれん草(ゆで)、ブロッコリー(ゆで)など |
ビタミンB群 | エネルギー代謝を円滑に行わせて皮膚や粘膜の代謝を促進する | かつお、まぐろ、鮭、鶏ささみ、鶏レバー、豚ヒレ、豚もも、ナッツ類など |
ビタミンC | 皮膚や粘膜の健康維持をサポートする | パプリカ、キャベツ、ブロッコリー、しゃがいも、さつまいも、ミニトマト、キウイフルーツなど |
亜鉛 | 傷口の免疫力を高めて皮膚の新陳代謝を改善する | 玄米、大豆、卵、チーズ、ナッツ類など |
抜歯後の食事では、上記のような食べ物を積極的に取り入れた献立を考えてみてください。
抜歯後に避けたほうが良い食べ物

抜歯後に避けたほうが良い食べ物は以下の通りです。
- 硬いものや尖ったもの
- 辛いもの
- 歯や歯ぐきにくっつきやすいもの
- アルコール類
ここでは上記4つについてそれぞれ解説します。
硬いものや尖ったもの
硬いものや尖ったものは傷口を刺激してしまうため避けたほうが良いでしょう。
具体的には以下のような食べ物が該当します。
- フランスパン
- 小骨の多い魚
- せんべい
- ポテトチップス
上記のような食べ物で傷口を刺激して再出血が起こると、傷の治りが遅くなってしまいます。
辛いもの・酸っぱいもの
香辛料やスパイスが入った辛い食べ物や酸っぱい食べ物は控えましょう。
傷口に触れると痛みや腫れを引き起こすだけでなく、血行が促進されることで傷口が開いてしまう恐れもあります。
具体的には以下のような食べ物が該当します。
- キムチ
- カレー
- 唐辛子
- わさび
- レモンやグレープフルーツ
抜歯当日は特に上記のような食べ物は控えるのが無難です。
歯や歯ぐきにくっつきやすいもの
傷口が開いてしまう恐れがあるため、歯や歯ぐきにくっつきやすい食べ物は避けましょう。
具体的には以下のような食べ物が該当します。
- キャラメル
- ガム
- 餅
傷口がきちんと塞がるまでは上記のような食べ物は控えることをおすすめします。
アルコール類
アルコールは血行を促進する作用があるため、痛みや腫れが強くなったり血が止まらなくなったりする恐れがあります。
- ビール
- ワイン
- 焼酎
- 日本酒
上記のようなアルコール類に該当する飲料はしばらく控えましょう。
抜歯後におすすめの食べ物

抜歯後におすすめの食べ物を抜歯当日、抜歯翌日、抜歯3日目以降に分けて解説します。
抜歯後の食事メニューを考える際に参考にしてみてください。
抜歯当日の食事メニュー
抜歯当日は治療痕がまだデリケートな状態のため、傷口を覆う血餅が取れやすいです。
そのため、患部を刺激しない柔らかい食べ物を選びましょう。
具体的には雑炊やおかゆ、柔らかく煮込んだうどん、ゼリーなどがおすすめです。
ただし熱すぎると刺激が強くなるため、よく冷ました状態で食べるようにしてください。
香辛料やスパイスなども同様に刺激になるため、調理済みの食品を食べる際は味付けにも注意しましょう。
抜歯翌日(2日目)の食事メニュー
抜歯の翌日は痛みがまだ残っている場合があるため、柔らかい食事を選ぶことをおすすめします。
1日目と同じような食事メニューのほか、ハンバーグやミートボールなどの柔らかい肉類の食事を摂っても問題ありません。
熱すぎなければ、野菜スープやクリームシチューなどもおすすめです。
抜歯3日目以降の食事メニュー
抜歯3日目以降は痛みも引いてくる頃のため、ほぼ普段通りの食事が可能です。
ただし辛いものや酸っぱいものなどの刺激物、硬いもの、尖ったものはまだ控えたほうが良いでしょう。
また、完全に傷口がふさがるまでは、抜歯した歯の反対側で咀嚼するようにしましょう。
抜歯後の食事に関するよくある質問

抜歯後の食事に関するよくある質問をまとめました。
- ご飯が抜歯した箇所に詰まってしまったらどうしたらいい?
- 抜歯後は炭酸を飲んでも大丈夫?
- 食後の歯磨きのポイントは?
- 食事をするときに痛むけど大丈夫?
- 痛み止めを服用するタイミングはいつがいい?
- 痛み止めが効かない場合の対処法は?
ここでは上記6つの質問についてそれぞれ解説します。
ご飯が抜歯した箇所に詰まってしまったらどうしたらいい?
ご飯が抜歯した箇所に詰まってしまった場合は、軽く水で口をゆすいでください。
ブクブクと強く口をゆすぐと傷口を覆っている血餅がはがれ、治りが悪くなる可能性があります。
また無理に舌や爪楊枝で取ろうとすると痛みが悪化したり再出血したりする恐れがあるため避けましょう。
水で口をゆすいでも取れない場合は、歯科医院に連絡して指示を仰いでください。
抜歯後は炭酸を飲んでも大丈夫?
炭酸は飲んでも問題ありませんが、抜歯当日は避けたほうが良いでしょう。
傷口に対する刺激があるため、痛みが悪化する恐れがあるためです。
抜歯2日目以降は、痛みがなければ炭酸を飲んでも問題ありません。
食後の歯磨きのポイントは?
食後に歯磨きを行う際は、傷口にブラシが当たらないように注意する必要があります。
普段使っている歯磨き粉と歯ブラシで問題ありませんが、もし磨きにくいようであればヘッドの小さいタフトブラシを使うのがおすすめです。
歯磨きをする際は以下のポイントに注意しましょう。
- 抜歯した部分の周辺の歯はやさしく磨く
- 抜歯した部分にブラシが当たらないようにする
- 強いうがいは避ける
普段よりも注意しながら歯磨きをするため、磨き残しが心配になる方もいるかもしれません。
そんなときはマウスウォッシュを併用すると良いでしょう。
歯科医院によってはうがい薬を処方するところもあるため、処方された場合は歯科医師の指示通りに使用するようにしてください。
食事をするときに痛むけど大丈夫?
抜歯後に痛みが出るのはおかしなことではないため、基本的には問題ありません。
食事をする際は、傷口を避けて食べるようにしましょう。
痛みや腫れがある場合は、噛まずに食べられるおかゆやすりおろしたりんご、ゼリーやプリン、ヨーグルト、ドリンクタイプの栄養補助食品などがおすすめです。
痛み止めを服用するタイミングはいつがいい?
抜歯後の痛みを抑えるためには、麻酔が効いている間に痛み止めを服用することが大切です。
痛み止めは服用してから20〜30分後に効果が現れるため、痛みが出てからではなく、痛みが出る前に服用しましょう。
痛み止めが効かない場合の対処法は?
歯科医院で処方される痛み止めにはカロナール、ロキソニン、ボルタレンの3つの種類があり、種類によって薬の作用の強さが異なります。
処方された痛み止めが効かない場合には、種類を変えることできちんと効果が出るようになる可能性があります。
歯科医院によって対応が異なるため、痛み止めが効かない場合は一度歯科医院に連絡して相談してみましょう。
また歯科医院をすぐに受診できない場合は、以下の痛みを和らげる応急処置方法を試してみてください。
- 患部を頬側から冷やす
- 歯痛に効果的なツボを押す
患部を冷やす際は直接口の中に氷を入れて冷やすのではなく、濡れタオルや冷却ジェルシートなどを頬に当てて冷やすのがポイントです。
歯痛に効果的なツボとしては、合谷(ごうこく)や承漿(しょうしょう)、下関(げかん)、歯痛点(しつうてん)などが挙げられます。
上記のような応急処置方法で一時的に痛みを和らげられる可能性がありますが、なるべく早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
まとめ
抜歯後の食事は当日から可能ですが、麻酔が完全に切れてから食事をすること、柔らかく患部を刺激しない食べ物を選ぶことが大切です。
硬いものや尖ったもの、辛い物、歯や歯ぐきにくっつきやすいものは避けたほうが良いでしょう。
平山歯科医院では、患者さんのご要望や不安をお伺いしたうえで、丁寧なカウンセリングを実施しています。
抜歯に関する不安や悩みがある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。