親知らずを抜くタイミングはいつがいい?抜いた方がいい人の特徴も解説!

「親知らずが腫れて痛くなることがある」
「親知らずを抜く必要性はあるの?」
「親知らずを抜いたほうがいいのはどんな人?」
親知らずがよく腫れたり、歯医者さんで勧められたりして親知らずの抜歯を考えている方もいるかと思います。
しかし、親知らずの抜歯になかなか踏み切れなかったり、そもそも親知らずを抜く必要があるのかわからなかったりする方もいるでしょう。
本記事では、親知らずを抜く適切なタイミングや、抜いた方がいい人の特徴について解説します。
親知らずが生えかけている方、親知らずの抜歯を検討している方はぜひ参考にしてください。
親知らずについて

まずは、親知らずの基礎知識について確認しましょう。
親知らずとは
親知らずとは、真ん中から数えて8番目に位置し、「智歯」「第三大臼歯」などとも呼ばれる歯です。
親知らずは、最大で上あごと下あごにそれぞれ2本ずつ、計4本生えます。
しかし、4本すべて生えている方もいれば、1本も生えていない方など、親知らずの本数は人によってさまざまです。
若い方であればまだ生えてきていない可能性もありますし、そもそも先天的に親知らずが存在していない場合もあります。
親知らずが生えてくるタイミングは?
親知らずが生えてくるタイミングは、10代後半~20歳前後が一般的です。
10代後半〜20歳前後というと、親元を離れる方も多い時期のため、親が知らないうちに生えてくる歯として親知らずという名前が付いたとされています。
近年はあごが小さい方が増えてきているため、親知らずがまっすぐ生えてくることは少ない傾向にあります。
そのため、人によっては親知らずが斜めに生えていたり、一部が歯茎の中に埋まっていたりする場合もあるでしょう。
親知らずが生えてくる前兆
親知らずが生えてくる前兆は、次のとおりです。
- 奥歯に違和感がある
- 歯が圧迫される
- 奥歯の後ろの歯茎が腫れる
- 歯茎から白い歯のようなものが透けて見える
このような症状が奥歯付近にあらわれたら、親知らずが生えてくる前兆かもしれません。
自分には親知らずが何本あるのか、今後生えてくる予定があるのかが知りたい方は、歯医者さんでレントゲンを撮って確認するのがおすすめです。
10歳を過ぎれば、歯のレントゲン写真から親知らずが何本生えてきそうかを判断できます。
親知らずを抜くタイミングは20歳前後がおすすめ!その理由は?

親知らずを抜く適切なタイミングは、20歳前後が一般的です。
親知らずが生えてくる時期である20歳前後に歯を抜くのには、次のような理由があります。
- 抜歯の難易度が比較的低い
- 回復力が高く傷口がふさがりやすい
- 私生活への影響が少ない
それぞれの理由について、以下で詳しく見ていきましょう。
抜歯の難易度が比較的低い
20歳前後は、親知らずが生えてくる時期とされています。親知らずを含め、歯は年齢とともに硬くなるため、生えてすぐの段階であれば抜歯がしやすくなるといえるでしょう。
また、親知らずは「歯冠(しかん)」という歯茎から出ている部分が先に作られ、その後に歯茎下の「歯根(しこん)」が作られるのが特徴です。
親知らずの歯根は、年齢を重ねるにつれて歯槽骨(しそうこつ)や下顎管(かがくかん)といった大きな神経が通っている部分に近づいていきます。
そのため、歯根が完成しきっていない20歳前後の段階で親知らずを抜くことで、歯槽骨や下顎管がダメージを受けるリスクを抑えられるでしょう。
回復力が高く傷口が早くふさがりやすい
傷口が早くふさがりやすいのも、20歳前後で親知らずを抜いた方がいい理由のひとつです。
親知らずの生え方は人によって異なり、一部またはすべてが歯茎や骨に埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」であることもあります。
埋伏歯の抜歯は、歯茎を切開したり骨にダメージを与えたりすることがあるため、出血や腫れ・痛みといった症状が起こりやすいのが特徴です。
回復力が高い20代前後のうちに親知らずを抜けば、傷口が早くふさがるため、傷口が化膿したり、感染症を起こしたりするリスクを抑えられるでしょう。
私生活への影響が少ない
私生活への影響を少なくできるのも、早いうちに親知らずを抜いた方がいい理由のひとつです。
親知らずを放置し続けると、次のような影響が私生活に出る可能性があります。
- 大切な商談や会議があるときに親知らずが痛む
- 親知らずが腫れて結婚式や旅行などを楽しめない
- 親知らずが痛いけど妊娠中で抗生物質や抗炎症薬が飲めない
年齢を重ねると、仕事での責任が大きくなったり、ライフスタイルの変化があったりするため、親知らずが私生活に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。
その点、20代前後の早い段階で親知らずを抜くと、将来親知らずによって起こる可能性があるリスクを避けられます。
また、高校生や大学生の間に親知らずを抜くと、周りの大人にフォローしてもらいやすいのもメリットのひとつです。
親知らずの抜歯後は、食事内容に気をつける必要があるほか、急な腫れや痛みなどの症状があらわれることも。
家族のサポートがあれば、親知らずの抜歯後も比較的安心して過ごせるでしょう。
親知らずを抜いた方がいい人の特徴

親知らずを抜くのは早いうちがいいとは言っても、「抜歯は痛そうで怖い」「親知らずは必ず抜かなければいけないの?」と思う方もいるかもしれません。
ここでは、親知らずを抜いた方がいい人の特徴を5つ紹介しますので、抜歯を検討する際の参考にしてみてください。
- 親知らず付近の歯茎が炎症を起こしている人
- 親知らずがまっすぐ生えていない人
- 親知らずが虫歯になっている人
- 歯列矯正を検討している人
- 親知らずに嚢胞がある人
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
親知らず付近の歯茎が炎症を起こしている人
親知らず付近の歯茎が炎症を起こしている場合は、抜歯した方が良いといえます。
親知らずが斜めや横向きに生えていたり、一部が歯茎に埋まっている場合、歯磨きが不十分になりやすいため「智歯周囲炎」を起こす可能性があります。
智歯周囲炎とは、親知らず(智歯)付近に汚れが溜まることで起こる炎症です。
智歯周囲炎になると、歯茎の痛みや腫れ、出血などの症状が起こり、さらに悪化すると発熱や倦怠感を引き起こすこともあります。
そのため、親知らず付近の歯茎に炎症が起こりやすい方は、親知らずを抜く方が良いでしょう。
親知らずがまっすぐ生えていない人
親知らずがまっすぐ生えていない方も、抜く方が良いといえます。
親知らずは永久歯が生えそろった後に生えてくるため、まっすぐ綺麗に生えている人は少なく、斜めや横向き、一部が埋まっているなどさまざまです。
親知らずがまっすぐ生えていない場合、これまで親知らず付近の歯茎に炎症が起こっていなかったとしても、将来的に炎症が起こる可能性があります。
また、親知らずの手前にある歯との間にすき間ができやすく、食べかすが挟まったり、歯磨きが行き届かなかったりして虫歯になることも。
今後、虫歯になったり、付近の歯茎が炎症を起こしたりするリスクを避けるためにも、まっすぐ生えていない親知らずは抜く方が良いでしょう。
親知らずが虫歯になっている人
親知らずが虫歯になった場合は、抜くのが一般的です。
「ほかの歯と同じように治療できないの?」と思う方がいるかもしれませんが、口の一番奥に位置する親知らずを治療するには口をかなり大きく開けなければなりません。
治療器具も届きづらいため、ほとんどの場合は抜くことになるでしょう。
また、仮に治療できたとしても、親知らずは歯磨きがしづらく虫歯になりやすい歯です。
虫歯が再発する可能性も高いため、親知らずが虫歯になった場合は抜歯するのが良いでしょう。
歯列矯正を検討している人
親知らずがあるからといって歯列矯正を断られることはありませんが、次のような場合は矯正前に親知らずの抜歯をおすすめします。
- 歯並びに影響している
- 歯を移動させるスペースを確保したい
- 将来的に矯正後の歯に影響を与える可能性がある
親知らずが斜めや横向きに生えており、手前の7番目の歯を圧迫して歯並びが悪くなっている場合は、親知らずを抜くことになるでしょう。
また、親知らずがまっすぐ正常に生えていたとしても、歯を移動させるスペースを確保するために抜き、歯全体を後方に下げることもあります。
親知らずに嚢胞がある人
親知らずに嚢胞がある場合も、抜歯が必要です。
嚢胞とは袋状の膿で、周りの組織に悪影響を及ぼしたり、強い痛みや腫れなどの症状を起こす原因になります。
親知らずが骨に埋まっている場合、骨に埋まっている歯の成分が嚢胞になることがあり、放っておくとあごの骨を溶かす恐れがあるため注意が必要です。
無症状の場合が多いですが、歯医者さんの定期健診や虫歯治療などでレントゲン撮影をした際に発見されることがあります。
親知らずを抜くメリット

親知らずを抜くことによる主なメリットは、次のとおりです。
- 虫歯を予防できる
- 歯周病を予防できる
- 口臭の予防・改善が期待できる
- 歯並びへの影響を抑えられる
斜めや横向き、一部が歯茎に埋まっている親知らずを抜くと、食べかすが挟まりにくくなったり、磨き残しが出にくくなったりします。
そのため、虫歯や歯周病、口臭などを予防できるでしょう。
また、親知らずが歯並びの悪さに影響していた場合、抜歯することで歯並びが悪くなるリスクを抑えられるのもメリットといえます。
まとめ
本記事では、親知らずを抜く適切なタイミングや、抜いた方がいい人の特徴について解説しました。
親知らずは若いうちに抜いた方が良いといわれており、目安は20代前後とされています。
また、親知らずを抜いたほうがいい方の特徴は、次のとおりです。
- 親知らず付近の歯茎が炎症を起こしている人
- 親知らずがまっすぐ生えていない人
- 親知らずが虫歯になっている人
- 歯列矯正を検討している人
- 親知らずに嚢胞がある人
上記に当てはまる方は、親知らずの抜歯を検討するのが良いでしょう。
とはいえ、親知らずの場合は「痛そう」「怖い」といったイメージがあり、なかなか抜歯に踏み切れない方もいるかと思います。
平山歯科医院は、患者様との対話を大切にしているアットホームな歯医者さんです。
困っていることやわからないこと、不安なことをいつでも話していただける「身近な歯医者さん」を目指して診療にあたっているため、親知らずの抜歯を検討している方はお気軽にご相談ください。